陸自の装輪装甲車(改)はなぜ開発中止に至ったのか 考えうる理由と代案実現への課題
考えうる代案とその実現へのカベ
装輪装甲車(改)は、陸上自衛隊で新たに編成された、あらゆる事態に対処するため高い機動性を持たせた「即応機動連隊」の中核となることを期待されていました。
防衛装備庁は「装輪装甲車(改)」の開発事業の中止を受けて、次期装輪装甲車の整備のあり方の検討など、必要な対応を適切に行っていく方針を明らかにしており、すでに国内外のメーカーに対して、次期装輪装甲車の導入を検討するにあたって必要となる、情報提供依頼書を発出しています。
現時点で次期装輪装甲車の方向性は不透明ですが、三菱重工業が開発した「MAV」(Mitsubishi Armoured Vehicle)を軸に、検討が進められていく可能性が高いと見られています。
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「MAV」は陸上自衛隊が導入した「16式機動戦闘車」をベースに開発された装輪装甲車で、同社は「96式装輪装甲車」の後継車輌として防衛省に提案しましたが、車体の幅が道路交通法の車幅制限を超える2.98mに達していたことなどから、採用には至りませんでした。
「MAV」は「装輪装甲車(改)」よりも高い防御力を備えていると見られており、また「16式機動戦闘車」との共通部品も使用されているため、運用コストを抑えられるというメリットがあります。
「MAV」以外の候補としては、アメリカ陸軍の「ストライカー」や、アメリカ海兵隊の「LAV」の原型である、スイスの装甲車輌メーカーのモワーグが開発した「ピラーニャ」や、アメリカ海兵隊が現在運用している「AAV7」の後継として新たに導入する、イギリスのBAEシステムズとイタリアの装甲車輌メーカーのイヴェコが共同開発した「ACV1.1」などが考えられます。ただ、これらの車輌も車幅は2.5mを超えています。
「MAV」の原型で、車幅が「MAV」と同じ2.98mに達する「16式機動戦闘車」は、現在警察から特別な許可を得て公道を走行していますが、アメリカ軍の車輌は車幅制限の適用外となっています。「MAV」を導入するせよ、海外メーカーの車輌を導入するにせよ、十分な防御力と不整地踏破性能を備えた装甲車を求めるのであれば、道路交通法の車幅制限が障害になるのは必至で、今後は自衛隊の車輌もアメリカ軍と同様、車幅制限の適用外とする形に法律を改正することが望まれます。
【了】
道交法のおかげで陸自隊員が危険に晒されるのは、よろしくないですよね。
車幅収まんないから開発中止、開発費パア。アメリカ軍の車輌は車幅制限の適用外。\(^o^)/