島しょ奪還、実際どう上陸する? 陸自AAVこと水陸両用車 総火演に見るその手順

2018年の「総火演」こと「富士総合火力演習」に登場した、陸上自衛隊のAAVこと「水陸両用車」ですが、どういった場面での活用が想定されているのでしょうか。総火演での展示を元に解説します。

上陸作戦といえばノルマンディー

 火力誘導班は、水陸機動連隊の偵察部隊とともに、偵察ボートなどに乗って、AAVの上陸に先行して目標地点へ隠密に上陸します。そして、敵の対空火器の位置を特定したのちに、火力誘導装置によって、F-2戦闘機が放つ精密誘導爆弾を誘導します。

 こうして、敵の対空火器の破壊を確認したのちに、F-2戦闘機は、通常爆弾を使用して、敵の地上部隊にピンポイント攻撃を仕掛けます。

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隠密上陸で使用される偵察ボート(矢作真弓撮影)。
2018年「総火演」にて、AAVから下車する水陸機動連隊の隊員たち。大雨の中でも臆することなく展開していく(矢作真弓撮影)。
移動する人員輸送型のAAV。一両のAAVには、乗員合わせて28名の隊員が乗車することができる(矢作真弓撮影)。

 これらの攻撃で、ある程度の敵勢力を叩いたら、次は海上自衛隊の護衛艦などによる艦砲射撃が行われます。

 海上自衛隊の護衛艦は、沖合いに停泊しています。陸上自衛隊の偵察部隊が敵の陣地に関する情報を収集して、護衛艦にその情報を提供します。偵察部隊から得られた情報を元に、護衛艦は搭載する単装砲などから射撃を開始して、敵部隊にダメージを与えます。こうして、敵がある程度弱まってから、AAVは上陸を開始します。

 つまり、AAVとは、敵の攻撃を受けながら真正面から上陸するのではなく、味方部隊によって攻撃された比較的安全な場所に向かって上陸するのです。

 第二次世界大戦を題材とする映画などで描写される「ノルマンディー上陸作戦」では、上陸を目指す連合軍の舟艇にドイツ軍が猛攻を仕掛け、多くの死傷者が発生しました。陸上自衛隊はAAVを上陸させる前に、味方部隊による掩護射撃を行ってから上陸することを想定していますので、映画のように上陸後に敵から集中砲火を受ける可能性は低くなっています。

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