ロッキード・マーチンがリケジョ育成のナゼ 欧米航空宇宙企業の「STEM教育支援」とは
STEM教育、国内企業などの動きは?
日本の航空宇宙産業も、STEM教育の支援に取り組んでいます。
前に述べた「ロケット甲子園」で優勝したチームは、隔年で交互に開催されている「パリ国際航空ショー」(フランス)と「ファンボロー国際航空ショー」(イギリス)に合わせて、毎年開催されている世界大会「IRC(International Rocketry Challenge)」の出場権を獲得するのですが、2018年のファンボローで開催された大会には、2017年の「ロケット甲子園」で優勝した、埼玉県立大宮工業高校の学生による「チーム宮工」が出場して3位に入賞しています。このチーム宮工の「IRC」参加にあたっては、日本の大手航空宇宙企業が加盟する一般財団法人 日本航空宇宙工業会(東京都港区)と、その加盟企業であるエンジンメーカーのIHI、航空機の飛行姿勢を制御する「アクチュエーター」の分野では世界有数の企業であるナブテスコ(東京都千代田区)が、ロッキード・マーチンと共に、渡航費用負担などの支援や、現地でのサポートを行なっています。
世界大会に参加する日本代表チームは、ただ大会に参加するだけではなく、展示された航空機や企業ブースの見学なども行なっており、参加した「チーム宮工」の生徒は、世界の航空宇宙の最先端技術に触れて、大いに刺激を受けたと述べています。
また、日本航空宇宙工業会が4年に1度「国際航空宇宙展」と題し、航空宇宙の総合イベントを開催しています。2016年の同イベントでは、宇宙飛行士の山崎直子さんの講演会や、JAL(日本航空)の女性パイロットや整備士による航空教室などが開催されました。
2018年11月に開催される「国際航空宇宙展2018東京」は、「東京オリンピック・パラリンピック」により2020年に「国際航空宇宙展」が開催できなくなることから、急遽開催が決定した商談を目的とするイベントのため、一般向けの催しなどは予定されていません。2021年の開催が予定されている「国際航空宇宙展」では、日本だけでなく、アジアや世界の若い人たちに、航空宇宙や科学への関心を持ってもらい、日本の航空宇宙技術に触れるイベントにして欲しいものです。
【了】
こういう記事見ると、自分も理系だったらと後悔してしまう。