戦車の適切な乗員数は? 自動になったら負担が増えた、昨今の陸自戦車乗りの実情とは

世界中どこを見ても、戦車の乗員はおおむね3名か4名です。もちろんこれには理由がありますが、この「1名」の差というのは、実に大きなものといいます。自動化による人員削減は、現場にどのような変化をもたらしたのでしょうか。

影響は日々の作業のなかにも

 防御陣地構築ほどの作業でなくても、たとえば普段、使用後の戦車にはシートを被せるのですが、このシートは戦車全体を覆うほどの大きさで、厚手の生地なので重さもあります。とてもひとりではシートを掛けることができないので、2名から3名で作業することになるそうです。ところが、車長はほかの戦車の車長や部隊との調整会議などで不在にしていることが多く、そのため90式戦車や10式戦車などでは、場合により2名でシート掛けはもちろん、自分たちが乗る戦車の手入れをもするそうです。

 ほかにも、万が一の戦闘時に1名が負傷してしまうと、他の乗員の負担が大きくなりすぎて、場合によっては戦車として機能しなくなる恐れもあります。

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負傷した戦車乗員を救助する衛生隊員たち。乗員3名の場合、1名が欠けると戦闘を継続するのは難しい(矢作真弓撮影)。

 余談ですが、北海道の戦車部隊の乗員によると、冬場の訓練では、しばらく走行しない時には履帯(いわゆるキャタピラー)周辺の雪を落としておくそうです。なぜならば、履帯回りにこびりついた雪や泥が走行後のまだ暖かい車体の熱で溶かされ、その後に冷えた車体と外気に晒された泥水が夜中に凍り付いて、走行できなくなる場合もあるからだそうです。

 先ほども延べたように、止まっているあいだは、車長は調整や会議でいない場合が多い戦車。装填手がいれば3名でできる作業を、自動装填装置が取り付けられたために2名で作業しなければならない90式戦車と10式戦車の乗員たち。もちろん、近くに味方部隊の戦車や支援部隊がいれば手を借りることもできますが、なかなかそうもいなかい時もあるそうです。

 イベントなどで見る華やかな姿の後ろでは、少人数で懸命に戦車の整備をする乗員の姿があったのです。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 戦車大隊に行った私の同期が愚痴ってました、弾薬の補給から演習中の不寝番も三人で回さなくてはならず寝てる暇はないし、演習が終われば潜って下廻りの泥落とし。

    1人減るけど負担はめちゃくちゃ増えたと言ってました。

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