無人運転車が事故、どうなる? 自動運転車の遠隔サポートセンターで事故対応を実演(写真11枚)

自動運転車、100%安全はあり得ない

 ティアフォーの加藤さんは、自動運転の実証実験が進むなかで、「無人運転車の事故時はどうなるのか」という質問をよく受けるようになったといい、今回の遠隔によるサポートサービスは、そのひとつの答えだと話します。

「自動運転の普及において“ラストピース”となるのは保険だと当初から考えていました。自動運転車がどれほど技術的に優れていても、100%安全とは言い切れません。技術では絶対にカバーできない安心を保険が埋めてくれるものと考えています」(ティアフォー 加藤さん)

 ただ、自動運転車の保険そのものは完成していません。責任の所在や加入のあり方、保険料の考え方といった検討がいまも世界中で進められています。そうしたなかで、何かあったときだけ、遠隔で誰かが操作してくれるという考え方が、保険のサポートセンターの役割に近いということで、今回の開所に至ったのだそう。

 このサポート態勢を各地で行われる実証実験にも取り入れ、世界のスタンダードにしていきたいと加藤さんは話します。また、損保ジャパンも今後、サポート拠点を全国に開設して知見を積み重ねていくとのこと。同社は、自動運転車が普及した時代を見据え、これまでの「補償」中心から「サービス」を中心としていくことで、新たな市場を捉えるとしています。

Large 180928 autosupport 05 Large 180928 autosupport 06 Large 180928 autosupport 07

拡大画像

拡大画像

拡大画像

コネクテッドサポートセンターのオペレーター室(2018年9月27日、中島洋平撮影)。
オペレーションのイメージ。
今回の実証参画企業の代表者が集まった開所式の様子。

 ちなみに、加藤さんによると、自動運転車は技術的には走れても、「何年走れるか」「どれくらいの周期でメンテナンスが必要か」といった品質の基準がまだできていないとか。今後、実証実験が積み重ねられてそのような基準が出来上がっていくことが想定されますが、「本格的に社会に普及していくのは、2020年以降。その手前は難しいでしょう」とのことです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(11枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

3件のコメント

  1. 早産の未熟児にならなければよいですね。
    緩和大義で供給力を全く無視した無審査認可が招いた旅客、物流の労働法令違反に現場の担い手放れも自動運転と枠組みの肥大化で何処まで補えるのでしょうかね?
    臭いは元から断たなきゃダメ!?なんて洗剤のCMがありましたが?

  2. 自動運転の問題は工事現場に突っ込むなどの事故なんだけどな。
    個人的には自動運転より自動ブレーキの方が良いが。

  3. 先ずはミッション制御や曲がる、止まるを生産者自らが把握して上手にならないとね
    来年で生産中止になる車種で訴えても口数だけの言葉たらずになりかねないし