昼間もヘッドライト一部点灯「DRL」普及なるか 欧州では装着義務、日本でも必要?

欧州仕様とはちょっと違う? 国産車のDRLの現状

 国産車では、DRLはどのように扱われているのでしょうか。たとえばトヨタでは2018年10月現在、「アルファード」や「C-HR」の一部グレードに「デイライト」の名で装備されています。こちらは、日中にランプスイッチをAUTOにすると、クリアランスランプ(車幅灯、いわゆるスモールランプ)が自動で点灯するというものです。トヨタは「アルファード」のデイライトについて、「LEDヘッドランプ下部をライン発光させることで先進感を演出しています」としています。

 ホンダでは「ステップワゴン スパーダ」のほか、北米で展開している「シビック」「CR-V」に設定。こちらも「アルファード」などと同様、ランプスイッチをAUTOにするとLEDのスモールランプが日中でも自動点灯する方式です。ただホンダによると、「欧州などではエンジンをONにすると同時に自動点灯するのがDRLの一般的な仕様です。自分で好きに点灯・消灯できる点でも、方式が若干異なります」とのこと。

 欧州で一般的な「エンジンONと同時に点灯」という方式は、マツダが「CX-8」などの車種で「デイライトキット」というオプションとして設定しています。このオプションを選択すると、LEDのスモールランプが自動点灯するようになりますが、OFFスイッチも車室内に別途設けられます。国産車においては、DRLは一部車種、あるいはオプションという場合が多く、その仕様もEUとは異なるケースがあるようです。

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ホンダ「シビック ハッチバック」。ランプスイッチをAUTOにしていると昼間もスモールランプが光る(画像:ホンダ)。

 先述のとおり、EUでは以前からDRLが義務化されていました。仮にEU向けの日本車ではこれが標準装備され、日本では機能を抑えていただけなのかというと、必ずしもそうではないようです。ある自動車メーカーの担当者によると、「ヘッドランプに関する法規は日本と欧州とで異なり、照射範囲や配光条件などがその地ごとに設定されています。日本向けのヘッドライトがそのまま欧州で通るわけではないので、共通化しようとしても完全に同じにはなりません」とのこと。

 同担当者は、DRLは第三者から視認されやすくなり、安全にも寄与するとしつつも、国内での標準化については慎重な姿勢を崩しません。「装着が義務化されていない現状では、邪魔・不要と考えるユーザーにとっては価格アップとしか捉えてもらえず、受け入れられるかどうかという問題もあります」と話します。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 実測したら車検場のテスターじゃダメ出し食らわされそうですね
    規準は満たしていても全国の検査法人のテスタも中々最新のテスターに入れ換えが進んでないようで、検査官の手動の元に合格を出すのも限界じゃないでしょうか?
    特にLEDライトだと光の散乱と言うところで×が出たり、実際そんなことないのですが難儀していたようですね。
    最近問題視されたメーカー出庫の完成検査問題など、ここ一番の切り替え時ではないでしょうかね

  2. 営業担当者には「安全性(視認性)向上」よりも「見た目(外観スタイル)の個性化」でしかないんですね。残念。