早すぎた「宙に浮く乗りもの」!? 成田空港内を結んだ「シャトルシステム」とは

引退後は空港近くで余生を送る

 このシステムは、巨大ターミナルゆえの歩行の負担をなくすものでしたが、長距離輸送や大量輸送には向いていませんでした。実際、レーンがあった場所に新設された通路は、歩いても5分ほど。シャトルシステムの乗降時間や待ち時間などを考えると、年々利用人数が増えていた成田国際空港では、あまり利便性の高い乗りものとはいえなかったようです。また、老朽化の兆しもあったなかで、不具合発生時の代替手段をどう確保するかという課題も抱えていました。

 シャトルシステムのすぐそばで通路の新設工事が進められ、シャトルシステムは稼働から21年後の2013(平成25)年9月に廃止。日本で唯一の水平に移動するエレベーターは姿を消し、翌日から通路の使用が開始されました。新設の通路は前述のとおり、動く歩道などで歩行の負担を軽減するだけでなく、柱や窓枠を極力減らし、航空機を一望できる眺望を活かすなどして、移動を「楽しみ」に変えるというコンセプトで造られています。

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2013年ラストラン直前のシャトルシステム車両(画像:風来堂)。

 空港から消えたシャトルシステムですが、2018年現在、その姿を見ることができる場所があります。成田空港のすぐ南、千葉県芝山町にある空の駅「風和里しばやま」。この敷地の片隅にシャトルシステムの車両が2両、屋外展示されています。

 展示車両は「シャトルシステム LAST RUN」と書かれたステッカーも前方に貼られたままで、廃止時の姿をとどめています。見学は自由。車両の中に入ることはできませんが、窓から車内を覗くことが可能。離着陸する飛行機を上空に眺めながら、シャトルシステムが多くの旅行客を乗せた往時を思い浮かべることができるかもしれません。

【了】

記事制作協力:風来堂、加藤桐子

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コメント

2件のコメント

  1. そういえばJALがリニアモーターカーを研究してたけど、こんな利用を念頭にしてたんだろうか?

  2. ホバークラフトをワイヤーで引っ張ってたような物かな。どこから空気送ってたんだ?