奇跡の豪華駅弁「元気甲斐」 業者を救ったテレビ番組コラボ弁当、誕生から30余年

中央本線の小淵沢駅で販売されている駅弁「元気甲斐」は、紀行作家の宮脇俊三さんもお気に入りだったという名物駅弁。実はテレビ番組のタイアップで作られ、そうそうたる人々が関わり誕生したものです。

いまや実現不可能!? テレビの力を見せつけた超豪華駅弁

 番組ではまず、司会兼「おせっかい」担当である愛川欽也さんの号令の下、『マルサの女』などで知られる映画監督の伊丹十三さん、評論家の山本益博さんらが「駅弁シンポジウム」を開き、全国の有名駅弁を研究しつつ、全体の構想を練りました。そして弁当は上下2段構成と決まり、各段のメニュー開発は関東・関西の有名料亭に委ねられます。

 上段(一の重)を開発したのは京都の「菊乃井」。いまでは関西版の「ミシュランガイド」で9年連続三ツ星を獲得するほどの料亭です。蓋を開けると、くるみご飯や、セロリやアスパラガスなど高原野菜の突き出しで構成。下段(二の重)は東京の料亭「吉左右」によるもので、大きめの栗がごろごろ入ったおこわや、鶏のゆず味噌和えが入ります。

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「元気甲斐」のパッケージは登場当時から変わらない(oleolesaggy撮影)。

 そして掛紙には、ポップなイラストと「ヤッホー」の描き文字が。手掛けたのは、村上春樹作品の装丁などで知られる安西水丸さん。デザインは資生堂のデザイナーとして知られる太田和彦さんがまとめ、さらにBMWのキャッチコピー「駆け抜ける喜び」などで知られるコピーライターの岩永嘉弘さんが「ふもとの駅弁・元気甲斐」と名付けました。その名を書にしたためたのは、黒沢 明監督の映画『乱』のタイトル文字で知られる書家の今井凌雪さん。この顔ぶれが一堂に会して仕事にあたることは、今後まずないことでしょう。

 全体を伊丹十三さん、山本益博さんがまとめ、昔の鉄道で使われていた飲料用の土瓶(汽車土瓶)を再現した「お茶土瓶」までも、北欧デザインの大家である島崎 信さんに作ってもらいました。試食は、映画撮影であらゆるロケ弁当を食べ尽くしている「伊丹組」が務め、ついに「元気甲斐」は完成したのです。

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コメント

4件のコメント

  1. 当時高校生でしたが、前夜新宿発23:55の長野行き普通列車で発売初日に買いに行ったのが思い出されます

  2. 懐かしいなあ、愛川欽也の探検レストラン。

    この駅弁プロデュースのシリーズは視てました。

    その後数年経って、一人旅が許されるようになってから買いに行って、小海線が来るまでの乗り継ぎ時間で待合室で食べました。

    美味しかったなあ。

  3. 岩永嘉弘が正しいですねコピーライターの岩永氏の名前。

    • ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。

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