上野動物園モノレール、黒字なのになぜ存続危機なのか? 「日本最古」ゆえの事情

東京都交通局が運営している、上野動物園の懸垂式モノレールが消えるかもしれません。経営上は黒字ですが、過去にもあることが原因で存続問題が浮上したことがあります。なぜ維持が難しいのでしょうか。

世界最古のモノレールを参考に開発

 日本でモノレールの研究が本格化したのは、戦後すぐのことです。東京都も1950年代、路面電車に代わる交通機関としてモノレールの研究を開始。1901(明治34)年に開業した、営業路線としては世界最古であるヴッパータール(ドイツの工業都市)のモノレールを参考に研究を進めました。

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ドイツのヴッパータールを走るモノレール(画像:photolibrary)。

 ヴッパータールのモノレールは、車両がぶら下がって走る「懸垂(けんすい)式」。鉄のレールの上に鉄製の車輪を置き、その部分(台車)から伸びる1本のアームが車体を支えています。東京都は、このヴッパータールのモノレールとほぼ同じ構造としつつ、車輪をゴムタイヤにして急な勾配でも走れるようにすることを考えました。

 東京都は上野動物園の敷地内に実証実験のための路線を建設し、1957(昭和32)年12月17日に開業。施設や車両は、将来の営業路線で想定される寸法の半分くらいの大きさでまとめられました。鉄道の法令に基づき開業したモノレールは、これが初めてでした。

 上野動物園モノレールは、動物園の来園者を運びながら実験を重ねます。しかし、東京の交通需要は高度経済成長によって急激に増加。本来はモノレールの整備が想定されていた地域でも、輸送力の大きい地下鉄が整備されることになりました。このため東京都はモノレールの研究を終了しましたが、上野動物園モノレールは来園者輸送という役割もあったため、引き続き運行しました。

 その後、日本では羽田空港へ向かう東京モノレールをはじめ、全国の都市でモノレールが整備されていきます。ただ、これらモノレールの多くは懸垂式の上野動物園モノレールとは異なり、軌道桁にまたがって走る跨座(こざ)式を採用。湘南モノレールと千葉モノレールは懸垂式ですが、軌道桁の内部にゴムタイヤの車輪を入れ込む構造を採用しています。上野動物園モノレールと同じ構造を採用したモノレールは、ひとつもありません。

 つまり、上野動物園モノレールは「オンリーワン」の存在で、ほかのモノレールと共通の部品を使ってコストを減らすことが難しいのです。

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コメント

4件のコメント

  1. 見積りが不明というのは、おかしい表現。メーカーはらは詳細見積をして出ているはず、札入れしただけの段階では。正しくは見積り詳細はこれから照会するでは?

  2. 犬山モノレール(名鉄)が廃止までの46年間あまりを初代の車両で走り続けたのと較べるとこの路線は車両の寿命が物凄く短いですね。なぜ上野のモノレールはすぐに傷んでしまうのでしょうか、機械が有ればその理由について追加の取材をお願いします。

    お手本となったドイツの懸垂式モノレールでは何年くらいのサイクルで車両を更新しているのかについても知りたいので分かるようなら教えてください。

  3. 40系が導入された当時に比べると資材価格が世界的に跳ね上がってるのと、安全対策やより快適な運行利用の為に最新の電装系も導入しなけりゃならんだろうから、2両のみ製造という量産効果の効かなさと合わせて4倍になっちゃったんじゃないかね

    18億ってのは本当にべらぼうだが…上野で無理なら日本国内の動物園じゃもう無理でしょ

  4. これ、見積もりじゃなくて東京都側の要求仕様に対しての概算回答じゃないの?

    それはともかく今東京では歳入額に対して建設・建築での歳出過剰になっているからこんなもんにつぎ込む余裕は無いだろ。

    鉄道に限っても地下鉄と日暮里舎人ライナーの問題抱えているのに。

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