「セダンくらいしか入らない」立体駐車場は変わる? 背が高くなったクルマ、どう対応

見直し進む「附置義務台数」

 立体駐車場メーカーのIHI運搬機械によると、仮に乗用車用を全てハイルーフ対応の車室にした場合、台数はおよそ3割減るそうです。特にマンション向けの2~3段の立体駐車場を中心に、ハイルーフ車対応のニーズが非常に高くなっているものの、附置義務台数との兼ね合いで、導入が難しいケースもあるといいます。

 駐車場制度を所管する国土交通省都市局によると、駐車場の附置義務条例は基本的に自治体単位で一律に定められ、建物単位で需要に合わせて変更することはできないとのこと。ただ、東京23区の特定エリアなどでは「地域ルール」が適用され、建物単位で附置義務駐車場のあり方を審査し、認可することも可能になっているそうです。

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マンションの立体駐車場の例(画像:国土交通省)。

 これまで、路上駐車を防止すべく駐車場の整備が進められてきましたが、国土交通省によると、自動車保有台数が頭打ちとなるなかで、稼働率の低い駐車場が出てきているなど、政策の転換期を迎えているとのこと。駐車場供給量の適正化を図るべく、自治体に対し諸制度の見直しを促しています。

 IHI運搬機械によると、現状で附置義務台数以上が確保されていて、かつ駐車需要が少ない建物では、前出の「地域ルール」のように、その現状が考慮されることもあるなど、各自治体で附置義務台数が緩和されてきていると話します。

 国土交通省は、2018年7月に発表した「まちづくりと連携した駐車場施策ガイドライン」において、「駐車場の量的なコントロールを適切に行うことが重要」「既存の駐車場についても他の土地利用への転換を図る」などとしています。今後、セダンほどの高さの乗用車しか停められないような立体駐車場が更新され変わっていくのか、そもそも駐車場そのものが減っていくのか、どちらの可能性も考えられます。

【了】

【画像】立体駐車場の種類

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コメント

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1件のコメント

  1. 逆に言えばセダンで十分であるし、道路事情ですら外国規格の3ナンバーに対処してないですからね
    セルシオも2代目のUCF20型までは大半の立体に入れたのですが30とかLSになるとホテルなどの立体は全長と幅で却下ですからね。
    またアルファードのように旧車のセダン系のプラットフォームを用いて無理矢理にミニバンを作った車種は重量も重く立体Pの新設や改造にても車枠だけの問題には留まらないでしょうね。
    今のレクサスLSの販売不振の原因はベンツのSロング並みに大きくなりすぎた駐車場の確保の問題とも言われてますし
    立体Pを問うなら異常に大きくなりすぎた日本車を見直すべきかと私は思いますがね