中部空港セントレア「2本目」のアクセス鉄道はできるか? コスト抑えられても残る課題
「ライバル路線」に乗り入れできる?
一方、名古屋市も2003(平成15)年度にあおなみ線の延伸を検討しています。同市が考えたのは、金城ふ頭駅から東側、海の向こうにある埋立地へ抜け、貨物線の名古屋臨海鉄道に合流するルート。名古屋臨海鉄道も電化や複線化などの改良を行いつつ名鉄常滑線の新舞子付近(愛知県知多市)まで延伸し、新舞子~空港間は常滑線に乗り入れるというものです。
この案では海底トンネルの建設距離が短くなり、事業費も従来の案より大幅に安い約800億円と試算されました。現在浮上している延伸構想も、この2003(平成15)年度の調査ルートを基本に検討されるとみられます。
ただ、この案はいくつかの課題があります。名鉄常滑線の新舞子以北(名古屋寄り)が事故などで不通になった場合、あおなみ線を代わりに使えますが、あおなみ線の列車が乗り入れる新舞子以南(空港寄り)が不通になれば、あおなみ線でも空港にアクセスできません。これではルートを二重化する意義が薄れてしまいます。
そもそも、乗り入れ先となる名鉄にとって、あおなみ線の延伸構想は“ライバル”。名鉄の協力を得られるかどうかは分かりません。同社の山本亜土会長は2018年9月、「我々の会社(名鉄)には(市から)何の問い合わせもない」(2018年9月27日付け読売新聞中部朝刊)と不快感を示したといい、調整は難航しそうです。
さらに山本会長は「滑走路が2本になって発着便が増えても(名鉄だけで)十分運べる輸送力はある。すごいお金を使ってやる必要があるのか」(2018年9月27日付け中日新聞朝刊)と話し、ルートの二重化自体を疑問視しています。
2019年度から始まる名古屋市の調査検討で、あおなみ線の延伸構想がどのように結論付けられるか、注目されるところです。
【了】
代替路線という視点からすれば、今は単線ですが、JR武豊線を終点武豊駅から小鈴谷まで西進させて南側から空港駅に進入させてはいかがか?
新線部分は結構住宅地を避けて線を引けます。武豊線部分も需要に応じて部分複線化していけばよいと思う。
あおなみ線は急行列車が走れるようになってないし、名鉄の線形も悪いので武豊線利用でも使い物になると思う。
残念ながら天下のJR東海が「儲からないからうちはやりたくないけど誰かがお金を出して線路引いてくれたら運行はしてやらんでもない」というスタンスなので現時点では無理かと。
そもそも既存の武豊線の改良をするなりしないと速度的にも85km/hで頭打ちですし。
(変にケチってATS-PT入れたおかげでパターンぎりぎりの運転もできませんしね)
いつも真っ先に運休するのは常滑~中部国際空港間なんだから、多額の費用で整備しても肝心のこの区間が共用になる乗り入れ案はやる意味がない。やるなら単独乗り入れは必須。
まあその金で三河方面へ直結するルートを整備する方が効果は大きいと思うが。
逆に鉄道に執着しないのもありかもよ。
愛知県は全部ではないが道幅も広いし、
ここに欧州規格の3連節バスを高速度で走らせる。
それでも無理となったら初めて鉄道計画という選択肢も。
どちらかというとあおなみ線の経営難の責任を取りたくない愛知県と名古屋市の窮余の策と言った感じでしょうか。
(夢洲の失敗を万博とIRでうやむやにしたい大阪と一緒かな?)
交通アクセスの2重化ならそれなりに経営が成り立つように仕組まないといけないのに起点が名古屋駅では名鉄と共倒れするのがオチでしょう。
それ以前に道路網が2重化ほぼ確定状態(知多半島道路+西知多道路)なのにモータリゼションの進んだ愛知でうまく行くとはとても…?
メインのインバウンドだってバス移動メインですし。
むしろJR武豊線の半田辺りから分岐して知多半島を横断する形の新線を名鉄空港線と結ぶ形にした方がサブアクセスとして有効かと(関空や成田がこのパターンで成功してるし)