経済効果は3億円以上! NEXCO東日本 各地のSA・PAがメニューコンテストに賭けるワケ

好成績を収めたことによる意外なワナとは?

 モチベーションアップは料理人だけでなく、「ホールスタッフにも『グランプリを獲得した店のスタッフだ』という自信がつくようです」と、店舗全体に波及するという話も聞きました。もちろん洗い場のスタッフも同じ気持ちでしょう。そうした店に対する誇りがあれば、ふざけ半分の動画を撮影して投稿するような行為を、防ぐことにもつながるはずです。

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表彰式にて、グランプリの菅沼料理長を中心に、準グランプリと審査員特別賞がふたつずつ、計5つのメニューが表彰された(鈴木ケンイチ撮影)。

 ただし、コンテストで良い成績が取れればすべてOK、というわけではありません。実際の販売の現場で、スピーディーに提供しにくいメニューというものも存在します。「コースメニューで良い成績を出したことがありましたが、そのときは実際の販売が大変で辛かった」という声も耳にしました。華やかに仕上げたメニューなだけに、調理時間が長くなったこともあったという話も聞きました。目の前の勝負だけでなく、実際に勝った後の、リアルな販売の現場も想定したメニューが求められるというわけです。

 ビジネスとプライド、モチベーションをかけて生み出されるコンテストメニュー。店舗側だけではなく、利用する側から見れば「気合のはいった美味しい料理」です。もしも、高速道路のSAやPAでコンテストメニューに出会ったら、ぜひとも試してみることをおすすめします。きっと満足できる可能性が高いはずです。

【了】

【写真】もはや「飯テロ」 準グランプリと審査員特別賞の4品

Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。

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