ドイツ軍ツェッペリン飛行船「アフリカ号」 大冒険飛行と反転のナゾ 不滅の大記録も

航空黎明期の第1次世界大戦にてドイツ軍が配備した飛行船の1隻「アフリカ号」は、実は21世紀現在も破られていない作戦飛行の記録を打ち立てています。しかも謎のUターンというエピソードつき。その背景と実際の航路などを追います。

謎が残る無線連絡、ことの真相は…?

 指揮官のルートヴィヒ・ボックホルト大尉は、このまま飛行を続けてフォルベック隊と連絡できなければ、砂漠のまんなかで遭難することにもなりかねないと、引き返すことを決心します。

 Uターンした「アフリカ号」は11月25日の午前4時、ヤンボル基地に帰還します。無着陸飛行95時間、飛行距離6757kmの大飛行でしたが、まだ64時間飛行可能な燃料が残っていました。これは「軍用機の作戦飛行時間」としては世界一の記録で、現在も破られていません。

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LZ104の乗組員。

 当時イギリスはドイツ海軍の暗号を解読しており、「アフリカ号」の行動を把握していました。手ごわいフォルベック隊への補給を妨害しようとしますが、アフリカに展開するイギリス軍には有効な航空戦力が存在せず、どこを飛行しているかわからない「アフリカ号」を直接攻撃するのは困難でした。そこでイギリスは「フォルベック隊は降伏した。アフリカ号は帰還せよ」という偽命令を無線で発信したのです。イギリスの諜報機関は、「アフリカ号」を引き返させたのはこの謀略無線の成果だ、と主張しました。

 ところがフォルベック隊からも、「アフリカ号」の着陸場所の安全確保ができず、帰還を要請する無線を発信していたことが明らかになっています。フォルベック隊からの無線出力は弱かったのですが、友好国や中立国の無線局で増幅中継され、ドイツ本国まで届いていました。「アフリカ号」が受信したのは正真正銘、本国のドイツ海軍からの命令といわれています。

「アフリカ号」は皮肉にも帰還を期待されていなかったため、その後、運用計画がありませんでした。再びアフリカに赴くことはなく、地中海やトルコ方面で散発的に偵察や爆撃に使われました。1918(大正7)年4月7日、マルタ島のイギリス海軍基地を爆撃しに向かいますが、その日の夕方、イタリアとアルバニアのあいだのオトラント海峡で炎上墜落するところを、ドイツ潜水艦UB-53が目撃します。イギリス軍にもイタリア軍にも、「アフリカ号」を迎撃した記録はなく、事故による墜落と想像されますが、原因は不明です。このとき21名の乗員が犠牲になりました。

【了】

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1件のコメント

  1. アフリカにラドンみたいな本物の“空の魔王”がいたのかも

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