駅ホームのベンチ「向き変更」広がる 関西発祥の安全対策、関東でも拡大

ベンチの向きを「180度」変えた駅も

――どれほどの効果があるのでしょうか?

 線路の転落要因は様々ですので、ベンチの向きを変えたことだけで測れるものではありませんが、一定の効果があると考えています。

――デメリットはないのでしょうか?

 ベンチの向きを線路に対し垂直にすると、それだけスペースをとられるため、ホームの広さから導入が難しい駅もあります。JR宝塚線(福知山線)の伊丹駅(兵庫県伊丹市)では、ベンチの向きを90度ではなく180度変え、線路に背を向けるような形で配置しているなど、現地の特性に応じて対策を講じています。

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JR西日本の駅では、ベンチの向きを変更している旨をポスターで案内している(2019年3月、中島洋平撮影)。

※ ※ ※

 JR西日本によると、大阪都市圏にある利用者の多い駅から順次ベンチの向きを変更し、やがて同社の中国エリアや北陸エリアにも拡大したとのこと。

 抜本的な線路への転落対策としては、ホームドアが思い浮かぶかもしれません。首都圏の駅を中心に整備が進んではいるものの、「ホームドアの整備は時間も費用もかかります」(京成電鉄)というのが実情。JR西日本、京成電鉄とも、ベンチの向きを変更するのはホームドア整備までの暫定的な対策というわけではなく、できるところから事故をなくしていく取り組みだといいます。

【了】

【写真】ベンチの「向き」変更、ビフォーアフター

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コメント

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2件のコメント

  1. 酔っ払いは電車に乗るな

  2. 初めて関西で見たときは不思議で、理由を聞いたら納得出来ました。
    逆に今まで何故そうなってなかったが疑問