駅ホームのベンチ「向き変更」広がる 関西発祥の安全対策、関東でも拡大

駅ホームにあるベンチの「向き」を変える動きが拡大しています。「線路に対して並行」から向きを90度変え、「線路に対して垂直」に配置。もともと関西から始まったホームの安全対策ですが、どのような効果があるのでしょうか。

酔客の行動分析に基づく安全対策

 駅ホームのベンチは一般的に、「線路に対して並行」に並んでいますが、この向きを90度変える形で、「線路に対し垂直」に設置する動きがあります。

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JR新小岩駅の総武快速線ホーム。ベンチが線路に対し垂直に配置されている(2018年12月、恵 知仁撮影)。

 京成電鉄は2019年2月から3月にかけ、八千代台駅(千葉県八千代市)を皮切りに8駅のホームでベンチを更新するとともに、向きを線路に対し垂直に変更しました。小田急電鉄でも2017年から順次、向きを変更しているほか、JR総武線の新小岩駅(東京都葛飾区)などでも同様の配置のベンチが導入されています。

 変更の理由について京成電鉄は、「線路への転落事故防止に効果があると考えられていることから、ベンチの更新をきっかけに、向きを変更していくこととしました」といいます。8駅以外も一部を除き、転落事故件数の多い駅から、順次更新していく予定とのこと。

 このように駅のベンチを「線路に対し垂直」に変更する動きは、関西が先んじています。たとえばJR西日本では2018年3月末時点で、333駅において向きを変更済みとのこと。同社に詳しく話を聞きました。

――なぜベンチの向きを変更したのでしょうか?

 もともと、当社の安全研究所で、お酒に酔ったお客様の行動特性を分析したことがきっかけです。千鳥足でフラフラしながらホームを歩かれて転落するのではなく、ベンチで座っていたところ急に立ち上がり、そこから一直線に線路へ向かい転落されるお客様が多いことがわかりました。それを防止すべく、ベンチの向きそのものを変えてしまう発想に至ったのです。

 その研究は、当社社員と大阪メトロ(当時は大阪市交通局)さんから出向されていた方と共同で行いましたので、当社と大阪メトロさんの2者で考案したことになります。

【写真】ベンチの「向き」変更、ビフォーアフター

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コメント

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2件のコメント

  1. 酔っ払いは電車に乗るな

  2. 初めて関西で見たときは不思議で、理由を聞いたら納得出来ました。
    逆に今まで何故そうなってなかったが疑問