「相鉄・JR直通線」は直通サービスで勝負!? 従来ルートと運賃を比較

運賃とサービスのバランス、どう考える?

 また、相鉄・JR直通線を利用する場合は、相鉄の所定の運賃に加え「加算運賃」という特別な運賃も払わなければなりません。2019年2月に相鉄が申請したのは、この加算運賃のこと。その金額は普通運賃で30円になり、これも運賃を高くしている理由のひとつです。相鉄は新線の建設などにかかった費用の一部を客に負担してもらうため、加算運賃を申請したとしています。

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相鉄線とJR線の接続地点になる羽沢横浜国大駅(2019年3月、草町義和撮影)。

 このように、相鉄・JR直通線は、所要時間が短くなったり乗り換えの手間がなくなったりして便利になる一方、運賃はほかの鉄道に比べて高くなる見込みです。逆にいえば、従来より運賃を多めに払えば、いまより便利な列車を利用できるということでしょう。これを客がどのように判断するかが、相鉄・JR直通線の将来を占うことになりそうです。

 なお、相鉄・JR直通線の運賃は確定したわけではありません。相鉄が2019年2月に申請したのは加算運賃の「上限」で、認可されれば上限を超えない額で鉄道事業者が自由に設定できます。たとえば上限額が30円なら、実際の加算額は10円や20円になる可能性もあるわけです。また、2019年10月1日に消費税率の引き上げ(8%→10%)が予定されていますから、それに対応した運賃変更も行われる見込みです。

【了】

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