沖縄「ゆいレール」で利用者急増、混雑激化 3両編成化は実現できる?

車両を増やすのに必要なコト

 利用者が増えれば車内は混雑します。朝ラッシュ時の混雑率は2011(平成23)年ごろが約80%でしたが、2017年度は120%まで上昇しました。これは1時間平均の混雑率で、列車によっては160~170%になっているといいます(2019年2月11日付け琉球新報朝刊)。

 国土交通省が示している混雑率のイメージでは、150%で「肩が触れ合う程度で、新聞は楽に読める」ですから、それほど混んでいないように思えるかもしれません。しかし、ゆいレールは那覇空港に直結する空港アクセス鉄道。大きなスーツケースを持った利用者も多いため、数字以上に混雑が激しいといえます。

 こうしたことから、運営会社の沖縄都市モノレールは列車を増発。2018年4月のダイヤ改正で、平日朝ラッシュ時の運転間隔を、従来の4.5分から4分に短縮しました。また、混雑すると乗り降りに時間がかかり列車が遅れる原因になるため、ドア付近のスペースを広くして乗り降りがスムーズになるようにした車両の導入も行っています。

 しかし、2019年夏以降の延伸開業で増加ペースはさらに拡大する見込み。このため、抜本的な対策となる増結(編成中の車両数を増やすこと)が考えられるようになったのです。

 現在の2両編成の定員は165人ですから、3両編成の定員は少なくとも250人くらいになりそうです。利用者数や運転本数が2017年度と同じで、最も混雑する時間帯の列車を3両編成で運転するなら、混雑率は2011年(平成23)年ごろと同じ80%程度まで下がると思われます。

 車両を増やすにはいくつかの課題があります。当然ながら増結用の車両を新たに製造しなければなりませんが、通常はホームを長くしたり、車両基地を拡張したりする工事も必要です。

 ホームの位置によっては軌道を移設するなどの大がかりな土木工事も生じますが、ゆいレールの駅や構造物は将来の拡張を考慮した構造になっているため、3両編成化に伴う大がかりな土木工事はほとんど必要ないと思われます。

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コメント

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3件のコメント

  1. 実現できる?じゃなく、実現させないとまずい。
    可能ならばホーム延伸を行って2×2の4両にして欲しいくらいだ。
    (超結果論だが、当初の見込み計画が正解だったことになると思われる。)
    3両では直ぐに利用者数が追い付いてしまうだろう。

  2. ゆいレールは活況を浴びているが、一方で路線バスはどうなんだろうか。
    地方や海外からの観光客は土地勘がない分ゆいレールに集中しているということか。
    利用できるバス会社が限られているとはいえ、結構フリーきっぷも充実しているし、OKICAも使えるし、バスも便利だとは思うんだけど。。。
    混雑を避けたいならバスがいいかもしれない。

  3. 現在、タイ王国の首都バンコックでは鉄道建設が、各所でかつてないペースでおこなわれています。
    私がタイに来た2002年当時、電車といえばスクムビット通りなどを走る高架電車(BTS)だけでした。
    その後、地下鉄(MRT)や空港線のエアポートレイルリンクが開業して徐々に電車が人々の生活に浸透してきています。
    鉄道とその駅がもたらす恩恵にタイの人々も気付き始めています。
    私が住んでいるバンコック郊外のミンブリも、新たな2路線の始発駅となります。
    1路線は、都心に向けて途中から地下鉄になります。おそらくMRTもしくはBTSのような電車路線と思われます。
    いま1路線は、「モノレール」と記載されています。また、近隣のバンカピを通り南北を結ぶ路線も「モノレール」とされ、同様の仕様で建設が進んでいます。
    ここで、どのようなモノレールなのか調べましたが、わかりません。
    2022年には開業するようなので、詳細な情報を知りたいのです。