全線開通で交通量増の常磐道、「ほぼ新設」の4車線化進む 工事現場は川の底

交通量の増加に対応すべく、暫定2車線区間の4車線化事業が進む常磐道。「4車線化」とはいえ、現道と「同じ道路をイチから造る」のにほぼ等しい状況で、地上はもちろん、「川の底」でも工事が急ピッチで進められています。

「川底」の工事現場も

 今回公開されたのは、阿武隈川に架かる阿武隈大橋(亘理IC~岩沼IC)の建設現場です。ここも、現道の横にほぼ同じ橋を建設するという工事で、現在は橋脚の基礎部分を施工中。川のなかに橋脚を打ち立てるため、「ニューマチックケーソン」と呼ばれる工法を採用しています。

 この工法は日本語で「潜函(せんかん)工法」といい、その名の通り、巨大なコンクリートまたは鋼鉄の函(ケーソン)を川の底深くに沈め、橋脚の基礎を造るというもの。ケーソンをコップに見立て、逆さにして川底へ沈めると、コップの底部には、空気の圧力で水が侵入しない空間ができます。さらに圧力をかけてケーソンから水を抜き、コップの底部と川底とのあいだに作業空間を確保、川底を掘ってケーソンを固い地盤の層まで沈め、基礎を構築する方法です。

 ケーソン内部は高い圧力がかかっている特異な空間であり、健康診断で選ばれた人でないと入れないなど、衛生安全管理が難しい工法。作業員は、ケーソン内部に通じる「マンロック」と呼ばれる塔から、螺旋階段で川底の作業現場へ降りていくのだそうです。

Large 20190427 01 Large 20190427 02 Large 20190427 03
     
阿武隈大橋の建設現場。常磐道の現道(奥)に並行する新しい橋の橋脚工事が進む(2019年4月14日、中島洋平撮影)。
ニューマチックケーソン工法の模型。川底を掘って橋脚の基礎となるケーソンを沈めていく。
盛り土区間のボックスカルバートを延長する工事。

 現在は4つの橋脚のうち1基について、ケーソンが所定の位置まで沈んだ段階。今後、2019年5月中に橋脚工事を完了させるといいます。それ以降は川が増水期に入るため11月まで休工となり、それから橋桁などを建設し、2020年度内に完成を間に合わせるとのこと。

 常磐道の暫定2車線区間では現在、交通量の増加にともない速度低下が見られるほか、反対車線へ突破する重大な衝突事故、それによる通行止めの発生などが課題とされています。山元IC~岩沼IC間の工事は現在、およそ100の建設会社が関わり、急ピッチで進められているそうです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(18枚)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号