全線開通で交通量増の常磐道、「ほぼ新設」の4車線化進む 工事現場は川の底
「川底」の工事現場も
今回公開されたのは、阿武隈川に架かる阿武隈大橋(亘理IC~岩沼IC)の建設現場です。ここも、現道の横にほぼ同じ橋を建設するという工事で、現在は橋脚の基礎部分を施工中。川のなかに橋脚を打ち立てるため、「ニューマチックケーソン」と呼ばれる工法を採用しています。
この工法は日本語で「潜函(せんかん)工法」といい、その名の通り、巨大なコンクリートまたは鋼鉄の函(ケーソン)を川の底深くに沈め、橋脚の基礎を造るというもの。ケーソンをコップに見立て、逆さにして川底へ沈めると、コップの底部には、空気の圧力で水が侵入しない空間ができます。さらに圧力をかけてケーソンから水を抜き、コップの底部と川底とのあいだに作業空間を確保、川底を掘ってケーソンを固い地盤の層まで沈め、基礎を構築する方法です。
ケーソン内部は高い圧力がかかっている特異な空間であり、健康診断で選ばれた人でないと入れないなど、衛生安全管理が難しい工法。作業員は、ケーソン内部に通じる「マンロック」と呼ばれる塔から、螺旋階段で川底の作業現場へ降りていくのだそうです。
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現在は4つの橋脚のうち1基について、ケーソンが所定の位置まで沈んだ段階。今後、2019年5月中に橋脚工事を完了させるといいます。それ以降は川が増水期に入るため11月まで休工となり、それから橋桁などを建設し、2020年度内に完成を間に合わせるとのこと。
常磐道の暫定2車線区間では現在、交通量の増加にともない速度低下が見られるほか、反対車線へ突破する重大な衝突事故、それによる通行止めの発生などが課題とされています。山元IC~岩沼IC間の工事は現在、およそ100の建設会社が関わり、急ピッチで進められているそうです。
【了】
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