重装甲空母「大鳳」はなぜ魚雷1発で沈んだ? 「不沈」をうたわれた空母の一部始終

太平洋戦争期、旧日本海軍が竣工させた重装甲空母「大鳳」は、初陣にて、たった1発の魚雷がもとで沈んでしまいました。装甲は魚雷に耐えたにもかかわらず、艦内でなにが起きていたのでしょうか。「大鳳」の一部始終を追います。

脆弱な空母を重装甲化したら…?

 空母は航空機を飛ばすのが任務ですが、そのためには航空機用燃料のガソリンやこれに搭載する爆弾なども必要です。つまり空母は、艦内に大量の「危険物」を抱え込んでいるのです。

 ところが、太平洋戦争以前の空母黎明期、航空機の航続距離は戦艦や巡洋艦の大砲の射程距離よりずっと長いので、空母そのものが最前線に出ることはあまり想定されず、充分な防御装甲は施されないのが普通でした。攻撃するリーチは長いものの、いざ攻撃を受けると脆弱な存在だったのです。

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アメリカ海軍による識別リストに掲載された「大鳳」。イギリスの新型空母やアメリカのエセックス級空母と見間違えやすい、との説明(画像:アメリカ海軍)。

 現代アメリカ海軍の原子力空母は、多数の強力な航空機を運用できる巨大な攻撃力をもっていますが、やはり脆弱であることには変わりなく、護衛艦、潜水艦など多数の艦艇や航空機を配してガッチリガードされています。ミサイル防衛にも使われるイージス艦は、もともと空母護衛用に造られた艦です。

 旧日本海軍においても、飛行甲板に爆弾を1発でも受けると航空機が発着できなくなり、甲板を貫通されると致命傷になりかねない空母の脆弱性は、太平洋戦争の開戦前から認識されていました。そうしたなか、1939(昭和14)年に策定された「第4次海軍軍備充実計画」、通称「マル4計画」において、排水量2万7000トン級、防御力を大幅に強化し、飛行甲板は800kg爆弾に耐え、機関室や弾薬庫は巡洋艦の主砲弾に耐える装甲が施された「重装甲空母」が計画されました。

 これがのちの空母「大鳳(たいほう)」です。

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3件のコメント

  1. 要するに,設計は理論的に完璧だとしても,材料などに手抜きがあれば,完璧にはならない。原発はどうなんでしょうか。

  2. 太鳳

  3. 一層減らしたのは格納庫ではない。ミリタリーブーム以前にはよく誤解されていた説明だが、この期に及んでまだ流布されるのか。断面図を観ろとしかいえない。