「峠の釜めし」だけじゃない 食べた後も普段使いしたくなる全国の「器に凝りすぎ」駅弁

手堅く喜ばれる? マンガ・アニメ駅弁

 実は、有田焼を器に使った駅弁はほかにもあります。しかも、九州の有田から離れた山陰地方に。鳥取駅の「ゲゲゲの鬼太郎丼」「ゲゲゲの鬼太郎茶漬け」は、鳥取出身である水木しげるさん原作の『ゲゲゲの鬼太郎』に登場するキャラクターのイラストが描かれた、有田焼の器に盛り付けられています。両手に持つとしっくり収まるくらいの小ぶりな容器です。

 丼やお茶漬けを食べ進めていくと、器の底から妖怪などが見えてくる様は、いかにも可愛らしいものです。器のデザインはこれまで7回変わっており、何度も買っているコレクターもいます。

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「ゲゲゲの鬼太郎茶漬け」第8弾の器デザイン(宮武和多哉撮影)。

 有名百貨店のいわゆる「駅弁大会」などでは、マンガやアニメ柄の入った駅弁もよく売れます。食べた器を、子どもの弁当箱として使用するという需要もあるからで、代表格としては、やなせたかしさんのキャラクター「アンパンマン」をかたどった水筒がふたに付いた高松駅の「アンパンマン弁当」や、サンリオのキャラクター「キティちゃん」をかたどった器の岡山駅「ハローキティまつりずし」などが挙げられます。これらを製造する三好野本店(岡山駅の駅弁事業者)は、現社長の若林昭吾さんがサンリオと関わり深く、大のキティちゃんファンとあって、器も可愛らしい出来栄えです。

 また、鉄道車両をかたどった器の駅弁も、子どもに人気です。最近であれば秋田駅の「秋田新幹線E6系こまちランチ」、新宿駅「京王電鉄9000系弁当」、変わり種では、前出の三好野本店による岡山駅「ハローキティ新幹線弁当」「ブラックシンカリオン弁当」など、枚挙にいとまがありません。

【写真】「峠の釜めし」、再現にトライ!

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