カナダ軍日本へ展開、新たに始まった瀬取り監視大作戦「オペレーションNEON」とは?

北朝鮮による瀬取りの監視を目的に、カナダ軍の艦艇と航空機が沖縄に展開しました。これまでも同様の活動は実施してきましたが、今回は少々、事情が異なります。端的に言えば「本腰を入れ始めた」わけで、その背景と意義を探ります。

「オペレーションNEON」は従来と何が違う?

 これまでカナダは、2018年にCP-140哨戒機およびフリゲート「バンクーバー」「カルガリー」をそれぞれ瀬取り監視のために派遣してきましたが、これはカナダ軍のグローバルな展開を通じた各国との連携強化を目的とする「オペレーションPROJECTION」の一環として行われていました。つまり、これまでの派遣は瀬取り監視のみを目的とした作戦のもとで実施されていたわけではなかったのです。

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カナダ空軍の哨戒機、CP-140「オーロラ」(画像:カナダ空軍)。

 しかし、2019年4月28日に、カナダ政府は瀬取りを通じた北朝鮮による制裁逃れに対抗するべく、それを監視するための新たな作戦を実施することを発表しました。それが「オペレーションNEON」と呼ばれるもので、これは2019年5月から2021年4月までの2年間に、艦艇や航空機を継続的に派遣し、おもに東シナ海において瀬取り監視を実施するという内容です。ただし北朝鮮の動向次第では、この2年間という期間が伸縮する可能性もあるようです。

 そして今回、取材したフリゲート「レジャイナ」と補給艦「アストリクス」、そしてCP-140哨戒機が、この「オペレーションNEON」のもとで派遣された最初の艦艇および航空機なのです。2019年6月現在までに明らかにされているところでは、今後、2019年9月から10月にかけてはフリゲート「オタワ」が、そして10月から11月にかけてはCP-140哨戒機が、それぞれ派遣されることになっています。また、「オタワ」は10月に相模湾で実施される、海上自衛隊の国際観艦式にも参加することが予定されています。

【写真】「レジャイナ」など参加、日加共同訓練、「KAEDEX19-1」の様子 ほか

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