カナダ軍日本へ展開、新たに始まった瀬取り監視大作戦「オペレーションNEON」とは?

瀬取り監視がもたらすカナダにとっての3つの意義とは

 では、こうした瀬取り監視活動への参加は、カナダにとってどのような意義があるのでしょうか。これについて、在日カナダ大使館に武官として駐在するカナダ海軍のウグ・カヌエル大佐は次のように説明します。

「カナダにとっての瀬取り監視の意義は、おもに3つあります。第1に、瀬取り監視は国連が定めた重要な任務であると同時に、カナダ政府が掲げる『北東アジアにおける平和と安全の提供』という方針にも合致すること。第2に、他国軍との連携や共同訓練の機会となること。そして第3に、瀬取り監視が自衛隊との共同作戦であり、カナダと日本との連携が強化できることです」

 この3つの意義の中でも、とくに日本にとって注目されるのはやはり3つ目の「日本とカナダとの連携強化」という部分ですが、これはすでに具体的な実績が積み重ねられているようです。

「瀬取り監視のための艦艇や航空機の派遣は、日本とカナダとの2国間訓練を実施する機会ともなります。実際に今回、派遣されている『レジャイナ』と『アストリクス』は南シナ海で海上自衛隊の護衛艦『いずも』と、日加共同訓練『KAEDEX19-1』を実施しましたし、嘉手納に派遣されているCP-140は海上自衛隊那覇基地のP-3C哨戒機と共同訓練を実施しました」(在日カナダ大使館 ウグ・カヌエル大佐)

 さらに、日本とカナダの安全保障面における連携強化について、2019年6月3日には、日本の岩屋毅防衛大臣とカナダのハージット・シン・サージャン国防大臣が東京で会合を開き、「日本国防衛省とカナダ国防省との防衛協力に関する共同声明」と題された声明を発表しました。この共同発表では、日本とカナダがお互いに連携を強化し、自由で開かれたインド太平洋の実現を共に推し進めていくことで一致しました。ちなみに、日本とカナダによるこのような共同発表が出されたのは、今回が初めてのことです。

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「レジャイナ」艦尾のヘリ甲板にて、左から艦長のジェイコブ・F・フレンチ中佐、駐日カナダ大使館武官のウグ・カヌエル大佐(2019年6月26日、稲葉義泰撮影)。

 このように、カナダは瀬取り監視をひとつの大きな目的として、今後ますますインド太平洋地域におけるプレゼンス(存在感)の強化を推し進めていくことになるでしょう。そして、これは日本にとっても無関係な話ではなく、むしろ日本とカナダが共に協力して活動する機会が増えていくことを意味しているのです。

【了】

【写真】「レジャイナ」など参加、日加共同訓練、「KAEDEX19-1」の様子 ほか

Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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