名古屋港の「ローカル線」名鉄築港線に乗る 日中の運行本数はゼロでも重要路線

名古屋と岐阜や豊橋を結ぶ路線を運営する名古屋鉄道(名鉄)は、名古屋港に延びる全長わずか1.5kmの「ローカル線」も運営。工場で働く人々の通勤路線ですが、貨物線と直角に交差してリニアの廃線跡も見られる、ユニークな路線です。

駅の上にあるリニアモーターカーの「廃線跡」

 この交差地点を過ぎると、名電築港駅から折り返すようにして伸びてきた線路が寄り添ってきて合流し、終点の東名古屋港駅に到着。大江駅からの所要時間は、わずか3分でした。この先も線路は海のほうまで延びています。

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行き先案内は先頭や側面の表示器を使わず案内板を掲出する(2019年7月、草町義和撮影)。

 現在の名鉄築港線は1924(大正13)年1月15日に開業。港湾地帯の貨物輸送をおもな目的に建設され、かつては多数の貨物列車が運行されていました。しかし、周辺の貨物線の運営が名古屋臨海鉄道に集約されたため、築港線の貨物列車は1984(昭和59)年までに廃止され、毎日運転される列車は旅客列車だけになりました。

 あおなみ線は終点の金城ふ頭駅近くに名古屋市国際展示場(ポートメッセ名古屋)やリニア・鉄道館などがあり、名港線の終点・名古屋港駅も付近に名古屋港水族館などの集客施設があります。これに対して東名古屋港駅の周辺は工場があるだけ。そのため、築港線の利用者の9割近くは工場への通勤客で、運行時間帯も朝夕のラッシュ時に限られているのです。

 ただ、日本車輌製造(日車)の豊川製作所(愛知県豊川市)で製造された名鉄の新車が、JR東海道本線や名古屋臨海鉄道の東築線を通って名鉄線内に搬入されることがあります。日車が海外向けに製造した車両も、名鉄の新車と同じルートで東名古屋港駅に入り、船に積み替えられます。普段の運行本数は少なくても、新車を搬入するための重要なルートといえます。

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東名古屋駅のコンクリート柱は屋根を少しだけ突き抜けている。
リニア実験線があったころの東名古屋港駅。ホームの屋根の上にリニアの高架軌道がある。
大江駅の近くにもリニアの車庫があった。

 駅の外に出て、近くの歩道橋から東名古屋港駅を眺めてみると、ホームの床から伸びているコンクリートの柱が2本、屋根を少しだけ突き抜けていました。これは中短距離の都市交通用として開発されたリニアモーターカー(HSST)の名残。1991(平成3)年、築港線に沿ってHSSTの実験線が建設され、大江駅付近から東名古屋港駅のホームの屋根上まで高架軌道が延びていました。

 2005(平成17)年にはHSSTを導入した愛知高速交通の東部丘陵線(リニモ)が開業し、役目を終えた実験線の高架軌道は撤去されましたが、東名古屋港駅の柱はホームの屋根を支える柱として、いまも使われています。

【了】

【地図】名鉄築港線と周辺の貨物線

Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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1件のコメント

  1. 大手なのに票券閉そく式やってるんだからそのくらいちゃんと書けや…

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