「北朝鮮による瀬取り」監視の実際のところ カナダ軍に聞く監視活動の流れ、その全貌

「瀬取り」がどのような行為か、すっかり知れ渡った昨今ですが、それを監視する側についてはあまり知られていないかもしれません。沖縄に展開していたカナダ軍から、実際の段取りや司令部の所在など、その全貌について話を聞きました。

緊迫する瀬取り監視の現場とは

「我々は実際に瀬取りが疑われる船舶を、東シナ海で2回確認しました」

 2019年6月26日、沖縄県のアメリカ海軍港湾施設「ホワイトビーチ」に停泊中だった、カナダ海軍のフリゲート「レジャイナ」の甲板上で取材陣にこう語ったのは、「レジャイナ」の艦長、ジェイコブ・F・フレンチ中佐です。中佐はさらに、「レジャイナ」が東シナ海で瀬取りが疑われる船舶を追跡していたことも明らかにしました。

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沖縄本島のアメリカ軍港湾施設「ホワイトビーチ」に停泊するカナダ海軍フリゲート「レジャイナ」(稲葉義泰撮影)。

「我々が東シナ海で監視を行っている際に、瀬取りが疑われる船舶を発見しました。そこでこの船舶の追跡を開始したのですが、中国の領海に接近したため我々は追跡を中止したのです」

 瀬取り監視は日中にのみ行われるわけではありません。闇夜に紛れて瀬取りを行う船舶にも、「レジャイナ」は鋭く目を光らせていたといいます。

「『レジャイナ』にはCH-148『サイクロン』というヘリコプターが搭載されています。我々はこの『サイクロン』を夜間も飛行させて、瀬取りが疑われる船舶の写真撮影を行いました」

 ちなみに、このCH-148はカナダ空軍で2018年から本格的な運用が開始されたばかりの最新鋭ヘリコプターで、日本を含む東アジアへ展開するカナダ海軍艦艇に同機が搭載されたのは今回が初めてです。

【写真】日本初上陸、カナダ軍の「どこでも情報集約所」

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