手動解除NGの「オートライト義務化」 クルマのランプスイッチ、どう変わるのか?

ライトを手動でオフにできるが、問題がない新法規対応のクルマも

 ヨーロッパではすでに2011(平成23)年からオートライトの装備が義務化されており、今回の日本の措置はそれにならう形ですが、オートライトを「手動で解除できない仕様」と規定しているのは独自のことです。現在、メルセデス・ベンツのクルマにはランプスイッチに「OFF」のポジションがないものの、アウディやBMWにはそれがあり、夜間でもドライバーが任意で前照灯を消すことができます。

 今後、こうしたアウディなどのランプスイッチも仕様が変化するかと思いきや、アウディでは従来のままで、すでに2019年モデルで「日本の新法規への対応を完了している」と話します。

「当社では2019年モデルから、デイタイムランニングランプ(DRL)を全車で標準装備しています。これを一定の要件で備え付けたクルマの前照灯は、2020年から日本で適用されるオートライトの要件に適合するものとみなす、とされています」(アウディ・ジャパン)

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DRLを点灯させているアウディ「Q8」(画像:アウディ・ジャパン)。

 DRLは、前照灯の一部あるいは別ユニットとして設けられる、常時点灯を目的としたランプのことです。ヨーロッパでは2011(平成23)年から、前照灯などとは別個にDRLの装備も義務化されていましたが、日本では義務化されていません。また2016年に「昼間走行灯」として法令に要件が定められるまでは減光のうえ、車幅灯と同じ扱いでした。

 現在の日本車ではオプションでDRLを装着できるケースも増えており、その多くは任意の消灯も可能です。一方、アウディが日本向けモデルで標準装備しているDRLは、ヨーロッパのものと同様、エンジンONとともに自動点灯し、任意の消灯ができません。つまり、前照灯を消してもDRLは常時点灯するので、昼夜にかかわらず、ドライバーによる完全消灯はできないそうです。

 なおダイハツは新型「タント」に、ハイビームをオートで点灯し、対向車などの動きに合わせて部分的に遮光する「ADB(アダプティブドライビングビーム)」もオプションで用意しています。「これがあれば、手動によるハイビーム、ロービームの切り替えも基本的には不要になり、いよいよランプスイッチに触る機会は少なくなっていくでしょう」とダイハツは話します。

【了】

【写真】新法規対応ランプスイッチ導入車種

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コメント

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8件のコメント

  1. 対向車に対して、道を譲る合図の前照灯を消すは、出来るのかな?
    それとも、現政権では、譲ることが無い(強引に行く!)
    他人への配慮など、考えていない?

    • 対向車もそうだけど、並走車(追い越し車線から走行車線に戻るクルマや、加速車線から合流するクルマ)に対しても。

      対向車には速度を落とせば消すこと可能としても、並走車にたいしては高速道で3km/hまで落とすわけにいかんし。

      やっぱり、譲るな!!ってことなのかな? 現首相らしいといえばらしいけど。

    • パッシングしたらどうでしょうか?
      政権批判にするにしても、こじつけが酷い。

    • 現政権ではとかちょっと何言ってるか解らないが
      走行中ライトカットの合図が使えなくなるとしたら本当に害悪だな。大型とかよく使ってるでしょ。
      パッシングじゃそんなに分からないよ……。

    • 合図で前照灯を消すのがどこの地方でのローカルルールか知りませんが
      建前重視の一般論として前照灯を消すことは危険運転と受け取られると思いますし
      警察も(よって、教習所も)駄目な合図方法と言うことでしょう

  2. DRLが付いている外車様はライトつけなくても良いとか勘違いした人が出ないかが心配だ

  3. オートライトとかまじて要らないものを付けないといけないって害悪でしかない。
    対向車がハイビームでもロービームに切り替わるのにタイムラグがあるからストレスでしかない。
    タクシーしか使わない馬鹿な政治家にはうんざり。

  4. この機能の必要性がわからない。アホな官僚か政治屋の気まぐれか?このせいで、ただでさえ高くなっている車の価格が上がってしまうのでは?

    今でも信号まちで、ライトを落とさないマナーの悪い奴がいるのに、こんなことしたら、余計に待ってる時、対向車が眩しくて仕方がない。