定着する鉄道の計画運休に次の課題 運転再開のタイミングとその告知、どうすべき?

台風19号の影響により、首都圏を中心に各鉄道事業者が計画運休を実施しました。1か月前の台風15号でも計画運休が行われましたが、その際指摘されたふたつの課題に、今回はどれほど対応できたのか振り返ります。

「無用な混乱は避けてほしい」という機運が高まる

 そもそも計画運休はどれくらい認知されているのでしょうか。都市防災を専門とする廣井 悠 東京大学大学院准教授は2019年9月、台風15号の計画運休の評価や意識について、1都3県在住の約9500人にインターネットアンケートを実施しています。

 この調査によると、計画運休を知らなかった人は1割弱で、8割以上の人が前日夜の時点で計画運休が行われることを認識しており、計画運休の実施についても約9割の人が適切だったと回答しています。前日午後に計画運休の実施が発表された前回の台風15号でも、周知と理解が進んでいたことが明らかになりました。それでは48時間前の発表は、過剰な対応といえるのでしょうか。

 問題はふたつ目の課題、翌日の運転再開をめぐる混乱です。調査では約4割が、計画運休後の運転再開時刻の発表について、適切ではなかったとしており、情報提供のタイミング以上に、情報の正確性に課題があることが分かりました。

 しかし、この問題を解決するために、必ずしも運転再開見込みの精度を上げる必要があるとは言えません。対象者中500人への追加調査によると、「計画運休をしてもよいが、一刻も早く運行を再開してほしい」に6割以上が「そう思う」と回答する一方、「混乱を招くくらいなら、運行再開を急がなくてよい」にも8割近くが「そう思う」としています。早期の運転再開を期待しつつも、無用な混乱は避けてほしいという、利用者の想いが垣間見えます。

 こうした回答の背景には、計画運休を契機として、社会の災害への向き合い方が変化しつつあることが指摘できます。交通機関が動かなければ、東京圏の利用者の多くは通勤することができません。鉄道が利用者の安全を優先して運転を取りやめることで、社会にも無用の危険と混乱を避ける機運が高まっており、計画運休の実施が早く分かれば、企業も業務縮小や休業の準備ができるという流れができつつあります。

【写真】JR東日本も遅延・運休の可能性を告知

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コメント

1件のコメント

  1. >備えておいてよかったと利用者が受け止められるように、

    未来永劫そんな事は思わないだろうな、

    思う日が来たら鉄道が無意味な存在になるときだ。

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