次の駅までが最安「じゃない」相鉄・JR直通線 羽沢横浜国大駅の謎 どうなってるのか?

鶴見駅に「停車」する日は来る?

 直通列車が通過する以上、羽沢横浜国大駅から鶴見駅へは1本の列車で移動できません。たとえば、武蔵小杉駅で横浜方面に向かう横須賀線や湘南新宿ラインの電車に乗り換え、横浜駅でさらに東京方面に向かう京浜東北線の電車に乗り換える必要があります。

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直通列車(試運転)からの前面展望。鶴見駅に京浜東北線のホーム(左)はあるが、「新ルート」の貨物線(右)にはホームがない(2019年11月、草町義和撮影)。

 この場合、鶴見~武蔵小杉間と鶴見~横浜間を重複して利用するため、羽沢横浜国大→武蔵小杉(310円)と武蔵小杉→横浜(220円)、横浜→鶴見(170円)の片道乗車券3枚が必要なように思えます。しかしJR東日本によると、羽沢横浜国大→武蔵小杉→横浜→鶴見のルートで乗り継ぐ場合は特例が適用されるため、最短経路の片道乗車券1枚(170円)で済みます。

 ところで、鶴見駅の線路でホームがないのは貨物線だけではありません。東海道線や横須賀線、湘南新宿ラインの電車が通る線路にもホームはなく、同駅に停車するのは京浜東北線と鶴見線の電車だけです。

 そのため神奈川県や横浜市は、東海道線や横須賀線の電車を鶴見駅に停車させてほしいとJR東日本に要望。相鉄・JR直通線の計画が浮上してからは、貨物線へのホーム新設も要望しています。実現すれば、羽沢横浜国大~鶴見間の所要時間は大幅に短縮されます。

 横浜市によると、JR東日本は「(ホームの増設は)地元負担が前提」との見解を示しています。しかし、ホームを設置するためのスペースは確保されておらず、事業費は膨大な額になるでしょう。自治体の財政次第ですが、実現までには相当な時間がかかると思われます。

【了】

【図】運賃表の案内イメージと実際の走行ルート

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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1件のコメント

  1. 鶴見駅、横須賀線・湘南新宿ライン・羽沢新宿ラインのホームを地下にすればホームを設置するためのスペースがなくても大丈夫になる。さらに、鶴見駅で分岐ができるようになり、羽沢新宿ラインが新川崎駅に停車が可能になる。また、大崎〜池袋間において、湘南新宿ライン(JS)と埼京線(JA)の駅番号の下1桁が一緒になる。