「機関銃の弾」は意外と大きい 自衛隊が使う3種 サイズや用途を比較してみた

9mm弾は近距離用、短機関銃は機関銃とは違う

 ところで、最も大きな12.7mmといちばん小さな5.56mm、口径の数値だけ比較すると大きさはせいぜい2倍程度ですが、12.7mm弾の弾頭重量は42gから52g程度、7.62mm弾は10gから11g程度、5.56mm弾は4g程度で、弾頭重量では12.7mm弾は5.56mm弾と比べて12倍以上の重さであることがわかります。弾頭重量が重いということは、それだけ破壊力も大きいことになります。

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軽装甲機動車の上部ハッチに据え付けられた5.56mm機関銃MINIMI(2017年4月、柘植優介撮影)。

 ちなみに拳銃やサブマシンガン(短機関銃)で主流の9mm弾は、弾頭重量が7.5gから9.5gのあいだです。弾頭重量については機関銃に使用する7.62mm弾に近い数値ですが、火薬の量が少ないため、射程が長くなるにつれて急速に威力が落ちる特徴があります。

 弾の威力は「ジュール」という火薬の量などで左右されるエネルギー単位で比べることができますが、その「ジュール」だと、9mm弾と7.62mm弾では9倍近い差があります。そのため9mm弾は短距離で撃ち合うようなサブマシンガンには適しているものの、中長距離射撃を考慮する機関銃で使用されないのはそのためです。

 さらに、弾頭だけ比べると9mm弾よりも小さく軽い5.56mm弾ですが、火薬の量が多いためエネルギー量で比べると、9mm弾が450ジュールから500ジュール程度なのに対して、5.56mm弾は1680ジュールから1800ジュール程度と約3.5倍もの差があります。また5.56mm弾の方が弾頭形状は先鋭で、これにより空気抵抗が少なくなるため、9mm弾よりも小型ながら射程を長くとることができるのです。

【了】

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Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

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2件のコメント

  1. 12.7mm以上は砲弾?NATOは20mm以上が砲弾だが。13mmから砲弾なんは東側じゃなかったかな?

  2. 12.7mmの薬莢まで含めて私のチンホ○より若干短いぐらいですね。