「大型フェリー船長」の仕事を聞く 旅客船ならではのやりがい その魅力&なり方は?

関東と北海道を結ぶフェリー「さんふらわあ」の船長に、どのような仕事なのか、その魅力やなり方について聞きました。以前はおもに無人トレーラーを輸送するRORO船に乗務していたそうですが、職場の雰囲気はやはり、大いに違うそうです。

乗客への積極的な関わりが「安全」に

――乗客の層によって、何か変えていることはありますか?

 お子さまが多いときにはやはり、「楽しく乗ってもらって船を好きになってほしい」と思いますから、星空観察やイルカウォッチングなど、いい思い出を作っていただけるように考え、案内するなどしています。

――操船関係以外でも、様々なことに気を配られているのですね。

 そうですね、ほかにも船長講和や、お子様にバルーンアートをプレゼントしたり、たまにトランペットを吹いてみたりといろいろ行っています。縁あってこうして「さんふらわあ」の船長になりましたが、とてもやりがいを感じていますね。

 RORO船では海がしけようが、船が遅れようが、文句も出ませんでした。そのかわり、「ありがとう」と言われることもほとんどありませんでした。いまは、お客様と接することで、人と人とのつながりが広がるのが嬉しいですね。そして、お客様から受け取った感謝の気持ちを次に渡していけるように、と考えています。お客様に積極的に関わることで安全につながりますし、楽しい気持ちで乗っていたり、明るい気持ちで運航していたりする船のなかで、事件や事故は起きないと思うのです。「さんふらわあ」の笑顔のなかに、事件事故はない、と宣言します。

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吉田船長が「宝物です」と見せてくれた、乗客からの手紙やアンケートなど。老若男女さまざまな人たちが感謝の言葉を綴る(2019年10月30日、乗りものニュース編集部撮影)。

※ ※ ※

 長時間にわたるインタビューと豊富な資料で、船の魅力をたっぷりと伝えてくれた吉田船長。「お客様に楽しいと思って乗ってもらえることが、私にとっての『安全運航』です」という言葉は胸に響きました。ちなみに、アナウンスは日本語と英語、中国語の3か国語で行っているのだそう。「なぜか中国語を褒められます」とのことでした。

●大型フェリー船長のお仕事:商船三井フェリー 吉田祥悟さん

・エンタメ力:☆☆☆☆☆尋

・理想の上司度:☆☆☆☆☆尋

・漁業知識:☆☆☆☆尋

・国際的コミュ力:☆☆☆☆☆尋

・乗り物酔い:0尋(克服済み)

(尋〈ひろ〉:水深の単位)

【了】

【写真】船乗り必携の3アイテム「海技免状」「船員手帳」「無線免許」

Writer:

静岡・伊豆出身のライター、編集者。乗りものオタクの総本山ともいうべき某出版社の編集を経て、フリーランスに。以来、自動車を中心に模型から時計まで、幅広く執筆&編集を手掛ける。象の調教師の免許あり。

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コメント

1件のコメント

  1. だいせつの火災での船長さんや亡くなられた船員さんの船乗りとしての使命感は学ぶべきところが多い。

    商船三井及びそのグループに属する会社にこのような人材が居ることはせめてもの救いである。

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