「ドクターヘリパイロット」の仕事を聞く 1分1秒争い命守る現場 やりがい なり方は?

ドクターヘリのパイロットとは、どんな仕事なのでしょうか。取材中にも出動要請が入るなか、TVドラマの舞台にもなった病院で、業務内容や必要な資格、働き方などについて聞きました。多いときには1日10回から12回も飛ぶそうです。

ドクターヘリ ときには河原の自転車道に降りることも

――お疲れさまでした。出動要請の電話が鳴ってからエンジンスタートまで約50秒、その後、ドクターとナースが乗り込んで離陸まで2分32秒でした。こんなにスピーディに出動するのですね。

 そうですね。離陸するときは大体の着陸場所しかわかっていません。その後、CS室(CS〈コミュニケーションスペシャリスト〉のいる運航管理室。ドクターヘリの要請を受け、出動指示を出し、天候や場所、症状などの情報収集および提供など飛行のサポートも担当する)から指示をもらって、そこに向かいます。「ランデブーポイント」という、あらかじめ登録している着陸場所で救急車と落ち合うのが基本ですが、学校のグラウンドやテニスコート、場合によっては農道など、かなり狭い所に降りることもあります。河原の自転車道に降りたときは、ヘリの降着装置(スキッド〈そり〉)の幅ギリギリでした。操縦席から真下が見えるわけではないので、どんな状況でも降りられるように、ヘリポートに帰ってきて着陸するときには「H」の字の中心にぴったり降りる訓練をしています。今日は狙った着陸場所から5cm横にずれてしまいましたが。

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機体はMDヘリコプターズのMD902。企業ロゴは、ドクターヘリ事業を支援する企業のもの(2019年11月5日、乗りものニュース編集部撮影)。

――先ほどの出動は、高速道路での事故でした。ドクターヘリは、救急車が行けないような山間部やへき地、離島などに行くのかと思っていました。

 ドクターヘリは全国に配置されていますから、そういった場所に出動する事もありますが、ここ(日本医科大学千葉北総病院)は普段生活しているような場所、どこにでも出動します。

――救急車とドクターヘリの違いはなんでしょうか?

 医師と看護師が現場に駆け付けられ、すぐに治療を始められることですね。それから、移動に時間がかからないこと。200km/hから250km/hのスピードで飛びますし、渋滞も関係ありませんから、重篤な患者さんを病院間で搬送する際にも使われます。

 ドクターヘリへの要請としては、救急車が到着してからドクターヘリ要請が入る「現着後要請」と、119番通報があった時点で救急車とドクターヘリが同時に出動する「覚知要請」があります。「覚知要請」とは、119番通報の内容に、明らかに重症ないし重症である可能性が高いキーワードが含まれた場合、ドクターヘリも同時に要請するというシステムです。医療行為を受けられるまでの時間をできるだけ短縮することで、救命できる可能性を上げるためのものです。

【写真】ドクターヘリの機内 狭いながら機能的

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