ヘリとは違う回転翼機「オートジャイロ」なぜ主流になれなかったのか?その長所と短所

その後のオートジャイロ

 日本でも、太平洋戦争開戦のころにオートジャイロ「カ号観測機(のちオ号観測機へ改称)」の開発を開始、量産型は対潜哨戒などの任務に就いていたといいます。

 しかしそれ以外の国では、軍用としては使用されず、第2次世界大戦後ヘリコプターが実用化されると、オートジャイロを運用する国はほとんどなくなってしまいました。韓国ではいまなお、都市部の一部消防組織が使用しているようですが、ヘリのようにホバリングもできず、ペイロードが小さく消火剤などの積載量も多くないため、このほかに同様の事例はあまり見られないようです。

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1930年代に撮影されたアメリカ海兵隊のピトケアンOPオートジャイロ(画像:アメリカ海軍)。

 ヘリコプターに仕事を奪われ、そのまま歴史の中に消えていくものと思われたオートジャイロ。戦後は、個人が趣味で楽しむ乗り物として、細々と生き残りました。そして最近(2019年現在)、そのオートジャイロに新たな動きが起こっています。小型で強力な電気モーターの開発により、小型、軽量、低価格なオートジャイロの開発が進んでいるのです。リチウムイオン充電池で動く最新式のものは、騒音も軽減。比較的構造も単純なことから、整備もしやすいといいます。小回りも効きますし、将来的には自転車のように手軽な「足」として、オートジャイロで空を飛んで買い物に出かける、などといった日が来るかもしれません。

【了】

【写真】日本のオートジャイロ カ号観測機

Writer: 凪破真名(歴史ライター・編集)

なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。

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コメント

1件のコメント

  1. とても興味深く面白い。ヘリコプターの回転翼への置き換えなど検討されたことは無かったのだろうか?
    騒音について90デシベル観測例を示しているが引き合いに100デシベル(目安は鉄道架橋下)を出すのは適切ではなく90目安を表示すべき(50デシベル目安は事務所の中とされる)。