「ミサイルになりきり護衛艦を攻撃する飛行機」がある 海自U-36A多用機 その目的は…

あらゆる手を用いて護衛艦を「攻撃」

 またU-36Aは、対艦ミサイルに化けるだけでなく、電波妨害やチャフ散布、標的曳(えい)航も行います。電波妨害とはいわゆるジャミングのことで、対抗電波を発信して水上艦艇のレーダーを使えなくします。一方、チャフ散布は、細かなアルミ片を無数にばら撒いて、水上艦艇のレーダー画面上に無数の点を表示させて、レーダーを使いものにならなくさせます。

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U-36Aは、訓練時にミサイルと化すため、左主翼端にミサイルシーカーを装備している(画像:海上自衛隊)。

 標的曳航とは実射訓練時のターゲットを曳航することです。主翼下につり下げたポッドからワイヤーを介して約5000m後方に標的を曳航します。そしてこの標的に対して、護衛艦は実弾射撃を行います。

 電波妨害やチャフ散布、標的曳航は、それらを収めた筒状の装置(ポッド)を主翼下につり下げて用いるため、任務に応じて付け替えます。またチャフ散布や標的曳航は、P-3C対潜哨戒機を転用したUP-3D多用機でも行えます。

 なお、このUP-3D多用機は電波妨害能力がU-36Aよりも優れているため、訓練で対象護衛艦に対してUP-3Dが電波妨害を行うなか、U-36Aが対艦ミサイルになりきって飛ぶという、両機がタッグを組んだ高度な訓練内容もあるそうです。

 ちなみにU-36Aは、山口県岩国市にある海上自衛隊岩国基地の第91航空隊で運用されていますが、同航空隊は同機と前述のUP-3D多用機の2機種を装備しており、U-36Aについてはフライト時のコールサインは「キューピッド」です。

 ミサイルと化す「キューピッド」、なんだか意味深ですね。

【了】

【写真】実弾射撃用の曳航標的を吊り下げたU-36A

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

1件のコメント

  1. なんだ訓練用か…
    「ミサイルになりきり護衛艦を攻撃する飛行機」←特攻隊かと思った