戦闘力低い下駄履き零戦「二式水上戦闘機」 なぜ旧日本軍では重宝されたのか?

第1次世界大戦で欧米諸国で用いられた水上戦闘機や戦闘飛行艇は、第2次世界大戦ではほとんど見られなくなりました。しかし日本だけは使い道を見出し、零戦改造の水上戦闘機を生み出しました。

下駄を履いたゼロ 自らの役割を全う

 そのための機体として、1940(昭和15)年に川西航空機において、まず「強風」の開発が始まりました。ただし、「強風」は野心的な要求性能から当初より開発が難航しました。そこで「強風」が実運用に入るまでの中継ぎとして、既存機を用いた水上戦闘機が開発されることになりました。

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二式水上戦闘機のベースに用いられた零式艦上戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

 ベース機として白羽の矢が立ったのは零戦でした。零戦は三菱重工が開発した艦上戦闘機で、その高性能ぶりから水上戦闘機にも転用することになりました。しかし零戦の開発元の三菱は、1940(昭和15)年当時、零戦の生産だけでなく、一式陸上攻撃機と局地戦闘機(いわゆる迎撃戦闘機)「雷電」の開発で余裕がありませんでした。

 そこで、旧日本海軍は水上機の開発ノウハウがあり、また三菱を補完すべく零戦の生産を行っていた中島飛行機に、中継ぎとなる水上戦闘機の開発を命じました。こうして1941(昭和16)年初頭から中島飛行機で開発はスタート、ベースとなる機体があったため1年足らずで開発完了し、太平洋戦争開戦日である同年12月8日に試作機が初飛行します。

 しかし機体の性能自体は問題なかったものの、水上機として用いるための海水による腐食対策に苦心しました。零戦は空母で運用する艦上機でしたが、飛沫など直接海水を浴びることはないため、電気系統含めて重点的に対策を施す必要がありました。

 また、フロート装着による重量増や、抵抗の増大によって起きた機動性の低下をカバーするために、垂直尾翼にある方向舵(ラダー)の面積を拡大するなど、機体各部にさまざまな改良も加えられました。

 かくして、零戦ベースの水上機は1942(昭和17)年7月6日に「二式水上戦闘機」として旧日本海軍に制式採用され、翌年9月まで約1年のあいだに327機生産されました。

【写真】「野生のナマズ」と呼ばれたアメリカ製水上戦闘機F4F-3S

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コメント

4件のコメント

  1. 日本軍の飛行場建設能力は一般に思われているよりはるかに高く、機械化されていました

    上陸して28日で完成や、着工して20日で完成の例もあります

    どちらかと言えば飛行場を作りえない島嶼に戦力の空白を作り出さないための存在であると個人的には考えていますし、どこかで聞いたような定説はまず根拠を確認すべきかもしれません

    不十分でも「そこにいる」ことに意味のある戦力なのでしょう

    飛行場など作りようのない小島ばかりが勢力圏にあった日本ならではの機体ですね

    • 完成度が違うでしょう。木を切って草むらにしたっていう程度の飛行場。また被害を受けた時の復旧速度も全然違う。これは噂とかではなく実際の話

  2. 強風については、最終的に紫電改にまで発展したことを記述すべきかと。

    二式水戦の逆の道を歩んだわけだから。

  3. 飛行場の完成度を問題にするというのなら

    運用している機体に見合う滑走路を用意できたかという視点で問題ないです

    米軍の方が離発着での事故率は概して高く、

    空戦での損失は日本側の未帰還行方不明全体と拮抗しているのに、喪失機数にすると

    運用喪失のせいで米側だけ2~3割増加するなんてことはざらです。

    日本機は軽量なため概して離着陸性能に優れており零戦からして

    非常に安定しており素晴らしい失速特性

    離陸はかなり早く、パイロットが殆ど操作しないうちに離陸する。

    着陸は極めて容易でグラウンドループの傾向無し(いずれも米軍評)

    なので平らにならしました程度で困らないんです。

    米軍は「地上で宙返り」が上手みたいですけどね。

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