晴海・豊洲を走っていた鉄道 知られざる「東京都港湾局専用線」 遺構をたどる

東京臨海部の豊洲と晴海を隔てる運河にさび付いた「晴海鉄道橋」が架かっています。貨物線廃止から約30年間そのままですが、このたび再活用に向けて動きが。戦後の復興を支えた東京都港湾局専用線の歴史を振り返りつつ現地を歩きました。

昭和の終わりを見届けて、東京都港湾局専用線は36年の歴史に幕

 東京港の都港湾局専用線は、その後も拡充されて、最盛期には芝浦から豊洲に至る一帯に24km以上の路線網を持っていました。晴海は日本を代表する物流拠点となり、東京国際見本市会場も開場。1960年代から1970年代にかけての高度経済成長期には、石炭、コークス、塩、新聞巻取紙、米、小麦、生鮮食品など幅広い品目を取り扱い、取扱貨物量は年間170万トンに達しました。

Large 20200105 01
すぐ隣に晴海通りの春海橋が架かっており、鉄道橋を間近に観察できる(2019年12月、栗原 景撮影)。

 1962(昭和37)年には、晴海鉄道橋を介して蒸気機関車「義経号」(現在は京都鉄道博物館所蔵)や展望車のマイテ39 11(同鉄道博物館所蔵)といった名車が晴海に集められ、「鉄道博覧会」が開催されたこともあります。

 しかし、1970年代後半になると陸上貨物はトラック輸送が中心となり、国鉄の貨物輸送がコンテナ中心に代わった影響もあって、輸送量は縮小していきました。

 1985(昭和60)年から路線の廃止が始まり、最後に残った晴海鉄道橋と晴海線も、平成が始まった1か月後の1989年2月10日に廃止され、東京都港湾局専用線は36年の歴史の幕を閉じたのです。

 鉄道橋としての役割を終えた晴海鉄道橋ですが、周囲の再開発が進むなか、ここだけが撤去されずに残された理由ははっきりとは分かりません。ただ、晴海鉄道橋は国内の鉄道橋として初めてローゼ桁と呼ばれるアーチと連続PC(プレストレストコンクリート)桁を採用した橋であり、歴史的に高い価値があることから、早い段階から保存する構想はあったようです。

【写真】廃線跡と当時の晴海鉄道橋を渡る貨物列車

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 遊歩道化は想定以上に劣化が激しくて予算オーバーってんでキャンセルになったはずだけど。

    また最近そんな話が湧いてきたの?

    わざわざ都税つぎ込むよりは、このままオブジェで良いんじゃない。

    歩道にするならコンクリで線路埋めて背の高い欄干付けて、別物になっちゃうしね。

  2. キムチ

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  3. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号