晴海・豊洲を走っていた鉄道 知られざる「東京都港湾局専用線」 遺構をたどる

東京臨海部の豊洲と晴海を隔てる運河にさび付いた「晴海鉄道橋」が架かっています。貨物線廃止から約30年間そのままですが、このたび再活用に向けて動きが。戦後の復興を支えた東京都港湾局専用線の歴史を振り返りつつ現地を歩きました。

専用線の遺構が…ビルの谷間に埋もれる「昭和鉄道史」

 平成の30年のあいだに、豊洲と晴海は大規模な再開発が行われ、いままた2020年東京オリンピック・パリンピックに向けて選手村や公園施設などの整備が進められています。東京都港湾局専用線の痕跡もほとんど失われてしまいましたが、いまも、晴海鉄道橋のほかいくつかの遺構を見ることができます。

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塩浜二丁目の廃線跡は都有地として残され、草むらの中にレールが寂しく残る。徐々に荒廃が進んでいる(2019年12月、栗原 景撮影)。

 その代表が、江東区塩浜二丁目6の三ツ目通り横にある空き地。大型マンションの前にある広い都有地で、立ち入ることはできませんが、雑草のなかにレールが埋もれているのが見えます。1本西側の都道319号支線の道路脇、塩浜二丁目1付近にも小さな空き地にレールが残り、豊洲運河では20年ほど前まで残っていた豊洲橋梁の橋脚が水に洗われています。

 これらの遺構は、ほとんどが「跡地が活用されずたまたま残ったもの」ですが、専用線の記憶を語り継ぐモニュメントとして保存されているものもあります。豊洲三丁目公園東側の歩道。ここは、かつて豊洲方面への深川線と、晴海線が分岐した地点で、歩道にレールが埋め込まれた状態で残っています。ただし、案内板の類は一切ないため、レールに注目する人はほとんどいません。

 しかし、晴海鉄道橋が遊歩道として復活すれば、きっとこれらの遺構も再び人々の注目を集めることでしょう。いまやすっかり最先端を行く都市となった豊洲と晴海。そのビルの谷間には、いまも戦後の鉄道史が埋もれています。

【了】

【写真】廃線跡と当時の晴海鉄道橋を渡る貨物列車

Writer:

1971年、東京生まれ。旅と鉄道、韓国を主なテーマとするフォトライター。小学生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、ウェブに記事と写真を寄稿している。主な著書に『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『テツ語辞典』(誠文堂新光社/共著)など。

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コメント

2件のコメント

  1. 遊歩道化は想定以上に劣化が激しくて予算オーバーってんでキャンセルになったはずだけど。

    また最近そんな話が湧いてきたの?

    わざわざ都税つぎ込むよりは、このままオブジェで良いんじゃない。

    歩道にするならコンクリで線路埋めて背の高い欄干付けて、別物になっちゃうしね。

  2. キムチ

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