戦車が空から降ってくる!水上を走ってくる!空挺戦車M551「シェリダン」の理想と現実

空中から投下できて、水陸両用で、それでいてミサイルも撃てる強力な戦車砲を搭載という、ラーメンにたとえるなら「全部のせ」のような戦車をアメリカは作ろうとしたわけですが、しかし世の中それほどオイシイお話はありませんでした。

ロマンあふれる「水陸両用空挺戦車」どう実現?

 強力な火力を持った戦車が戦場に現れれば、それは敵にとっては大変な脅威です。さらにそれが空を飛んでやってきたら、あるいは水面を渡り突然現れたら、考えるだけでも恐ろしい兵器になるでしょう。そのような恐ろしい兵器は戦車黎明期から世界各国で研究されており、そして実用化されたもののひとつが、アメリカの開発したM551「シェリダン」です。

Large 200122 m551 01

拡大画像

アメリカ軍によるパナマ侵攻に投入されたM551「シェリダン」。パナマ市内バチカン大使館近傍にて(画像:アメリカ合衆国陸軍戦史センター)。

「シェリダン」の開発は1950年代半ばにスタートしました。その際にまとめられた基本構想は下記のようなものです。

・水陸両用車両であること(水上航行能力)。
・空中投下に耐えられること。
・既存の軽戦車をしのぐ火力と機動力を持つこと。
・重量は10t以下に抑えること。
・152mm口径のガンランチャー(後述)が搭載できること。

 やりたいことはわかりやすいのですが、これはかなり無茶苦茶な要求です。軽量化と機動力は両立が可能ですが、その上、空中投下の衝撃に耐えられる頑丈さと、152mm口径のガンランチャーという大火力が搭載できる大きさは、なかなか両立させられるものではありません。

 しかし、それでも12社から案が提出され、そのうちキャデラック社の設計案が採用されることになりました。彼らはこの不可能とも思えるような要求をどのようにしてクリアしたのでしょうか。

【写真】ソ連車両を模したM551「シェリダン」

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

5件のコメント

  1. 私はムスカ大佐だ。大同少尉殿、ようやく特殊鋼の結晶の秘密を理解したようだね。しかしそれでは宿題は終わっていない。古事記にも不完全ながら書いてあるだろう。これこそが、全世界を支配する制空権なのだ。まあ仕方がない、臣下の礼をくれぐれも忘れぬように。

  2. なんか内燃機関シンポジウムで某博士がいっていた内容に聞こえてしまうのは私だけか?

  3. ついでにいっておこう。イーロンマスク氏のスペースXの爆発炎上をみてもNASAもどうやらこの結晶の秘密を掴んでないようだ。

  4. あの電気自動車テスラーの人?ロケットはエンジン、電気自動車はモーターなんで関連性がないのになぜ?

  5. ダイヤモンド ケンイチ を経営理念や研究者に結び付けるのもやめたまえ。