消える列車の喫煙席 近鉄特急 700系新幹線 ただ喫煙車はサンライズで存続予定 なぜ?

「サンライズ瀬戸・出雲」の喫煙車は「客室」扱い

 元喫煙席の車両はどうなるのでしょうか。JR東海の700系は全編成が廃車されますが、JR西日本が保有する16両編成の700系は、臨時列車用の編成として存続します。この車両の喫煙席はすべて清掃・消臭をしたうえで、今後は全席禁煙車(喫煙ルームなし)として運行する予定です。

 近鉄は3月末までに、喫煙席のある車両を順次、清掃・消臭したうえで、禁煙車として使用する方針です。清掃・消臭が終了するまでは、座席を販売しない措置をとっています。

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東海道・山陽新幹線700系の座席では喫煙できる(画像:写真AC)。

 このほか、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に喫煙可能な個室が設定されていますが、健康増進法とその施行令では、ホテルや旅館の客室、鉄道や船舶の宿泊用客室は規制の対象外となっているため、4月1日以降も一部車両が引き続き「喫煙車」として運行される予定です。また、臨時列車として運行されている「カシオペア」にも喫煙車が設定されていますが、JR東日本によると、4月1日以降の取り扱いは未定とのことです。

 愛煙家にとっては肩身の狭い話ばかりですが、受動喫煙の防止は乗客間だけの問題ではありません。車掌や販売員、警備員は、煙の立ち込める喫煙車で望まぬ受動喫煙を強いられているという現実があるからです。労働安全衛生法に「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」が制定されるなど、労働者の受動喫煙防止対策に対する関心も高まりつつあります。

【了】

【写真】700系新幹線に3両ある喫煙席

Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

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7件のコメント

  1. 販売員といいますが近鉄の話ではないですよね?

  2. 随分狂った世の中になり果てたものだ。
    一方で「多様性」だの「共生」だのを喚き散らし、強制するのに、一方で喫煙者だけはナチ宜しく平然と迫害する。
    完全分煙化すれば済む話なのに、一体全体どういう思考回路をしているのか、全く理解出来ない。

    • >>完全分煙化
      密閉された喫煙室にどうぞ。

    • 吸いたいんなら喫煙スペースでやれっていう話だから迫害ではなく分離。

  3. 近鉄の「清掃・消臭が終了するまでは、座席を販売しない措置をとっています。」は徹底していますね。他人が喫煙するのは構わないと私は考えているのですが、どうしてもむせてしまうので却って嫌味となります。それと服が臭くなってしまうので訪問先で迷惑だったかもしれません。

  4. 何でもかんでも欧米化で禁止禁止!
    自分と違う事は徹底批判で?
    その割に飲酒運転や煽り運転、不正乗車やら引き籠りは無くならない。
    嫌な世の中だね〜

  5. JR西日本の700系16両編成って繁忙期ですらJR東海でアルバイト運用をしてる700系の博総送り込み用の新大阪←→博多1往復設定されてるだけなのに、どこで山陽新幹線内運用するんだ?て気が。