東京の地名がついたアメリカ陸軍M4戦車「シャーマン赤羽スペシャル」…なぜ赤羽?

陸上自衛隊も草創期に使用したM4「シャーマン」戦車ですが、そのなかに日本の地名が付けられたタイプが存在します。なぜそのような名称になったかを紐解くと、太平洋戦争後の日本の置かれた状況が影響していました。

より強力な戦車が米本土から駆け付け、出番消滅

「赤羽スペシャル」が作られる際、参考にされたのが、大戦後にアメリカBMY社が改良していた中古M4戦車でした。

 M4「シャーマン」戦車には短砲身の75mm砲搭載型と、装甲貫徹力を増した長砲身の76mm砲搭載型があり、前者は砲塔が小さく、後者は大きなものを用いていました。

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ボービントン戦車博物館に展示されるM46「パットン」戦車。主砲は90mm砲(柘植優介撮影)。

 BMY社の改良プランは、75mm砲搭載の小型砲塔に貫徹力の高い76mm砲を搭載するもので、改良された車体は識別のために、型式末尾に「E4」を加えた「M4A1E4」や「M4A3E4」などと呼ばれました。この改良はアメリカ本土で1940年代末から行われていましたが、このような実績があったため、日本でも比較的容易に改良できると考えたのでしょう。

 しかし結局、「赤羽スペシャル」が朝鮮戦争に参加することはありませんでした。なぜならアメリカが本腰を入れて本土から増援部隊を送り込むようになったことで、戦車についてもM4「シャーマン」よりも強力な、M26「パーシング」やM46「パットン」といった大型戦車が使用されるようになったからです。

 しかし、「赤羽スペシャル」を生み出す元になったM4A1E4やM4A3E4は、親米国への供与兵器として用いられ、前者はパキスタンなどで、後者はデンマークやユーゴスラビア、インドなどで運用されました。

「赤羽スペシャル」は写真でしか見ることができませんが、兄弟車であるM4A1E4やM4A3E4は世界各地で展示されているため、その面影を感じ取ることはいまでも可能です。

【了】

【写真】「赤羽スペシャル」誕生の契機となったソ連のT-34-85

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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