最強戦闘機F-15「イーグル」 いまなお抱える「持病」 背景にロシア戦闘機の影

F-15とF-16で差が出たのはMiG-25のせいといえるワケ

 F-15とF-16でストール・スタグネーションの頻度に大きな差があらわれた主要な原因のひとつは、空気流入口の設計にありました。F-15はマッハ2.5を達成することが求められたため、空気流入口もそのために最適化され、可変式空気流入口を採用するなどの特徴を持ちます。これはマッハ3.2という速度を誇る、ロシアのMiG-25戦闘機への対抗に必須と思われたためです。

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日本ではベレンコ中尉亡命事件でも広く知られるMiG-25戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

 ところが実際には、高速性能はまったく不要なものでした。100機以上の撃墜を誇る実戦において、マッハ2を超えた事例は一度たりともありません。それどころか、武装したF-15は空気抵抗によりマッハ2を超えられませんでした。F-15がもしマッハ1を少し上回れば良いと割り切っていれば、空気流入口を(のちのF-16やF/A-18のように)固定式としたり、もっと違った設計としたりできたはずです。

 MiG-25は実戦でF-15に勝つことはできませんでしたが、F-15に不要な性能を盛り込むことを強要し、結果、自分が撃墜された数よりも遥かに多い数十機もの機体を間接的に葬りました。そして現在もなお無敵の王者であるはずのF-15を悩ませ続けているのですから、なんとも皮肉な結果であると感じざるをえないところです。

【了】

【写真】比べれば一目瞭然 F-15の「可変式空気流入口」作動前後

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

2件のコメント

  1. 100機以上を撃墜…ミサイルで落としたんですよね?ならば自軍は飛行機を飛ばすより高性能な地対空ミサイルを配備すれば済むのでは?

    • 地対空ミサイルだけではそれを配備したエリア内でしか対応できません。極端に射程を長くしても命中率が下がります。相手に対して能動的に動き、場合よっては目視で確認する必要があります。ドネツクやイランの様に民間機を撃墜する訳には行きません。