高輪ゲートウェイ駅開業の裏 消える風景「提灯殺しのガード」 高さ1.5mの道なぜ誕生?

「提灯殺し」がここまで低い理由 かつては水路ゆえ?

 なぜこのガードは天井が低いのでしょうか。その手掛かりのひとつが、ガードのそばにある水路にあります。ガード西側の入口では、水路が金網越しに見えます。覗くと小魚が何匹も泳いでいました。

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「提灯殺しのガード」の内部(2020年2月6日、内田宗治撮影)。

 明治時代初期、この付近の線路部分は海でした。当時の海岸線から沖へ数十m離れた場所に土を盛って築堤し、その上に線路が敷かれました。また、海岸の船着き場と海とを行き来する船のために、堤の途中を橋にし、その下を船が通れるようにしました。つまり、当時は列車と船が立体交差していたのです。

 時代が下ると線路の両側は埋め立てが進み、線路の東西を歩いて行き来できるよう、水路に並行してこの通路が造られました。堤はそれほど高くなかったので、その下の通路も天井を低くせざるを得ず、こうして低すぎるガードが生まれました。

 では4月以降の工事の概要を見てみます。「提灯殺しのガード」の北側に、並行する第二東西連絡道路を造ります。これは歩道と片側1車線ずつの車道を設けた、地上部分と長さ約160mのトンネル部分から成ります。トンネルの高さは車道が4.7m以上、歩道が2.5m以上と、「提灯殺しのガード」に比べて高くなります。なお、第二東西連絡道路の東側は、東海道新幹線の橋脚などの影響で、ルートが「提灯殺しのガード」と重複します。そのため片側ごとの整備となり、一部は現在の水路部分を歩行者通路として整備します。

 工事はおもに、上を走る鉄道の終電から始発までの時間帯に行われるため時間を要し、予定では、歩道の完成が2026年度、クルマも通れるようになる完全な竣工が2031年度です。

【地図】品川駅~浜松町駅付近 下の通路の天井が低い架道橋(ガード)3か所の位置

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コメント

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1件のコメント

  1. これの逆が鉄橋殺しのトレーラー。 
    ハイデッカーのバスのドライバーから某駅に電話がかかってきたという。そばのガード下は何mですか?と。申しわけありませんがこの駅ではわかりかねます…ならばどこでわかるというのだろう。 
    市販の地図帖には桁下の高さが載っているものもある。