高速バスのトイレ 短距離路線でもあったほうがいいのか? なし・あり それぞれの理由
渋滞時にありがたい車内トイレ
おもに中央道を走る昼行バスや、京王線沿線エリアと羽田・成田両空港を結ぶ空港連絡バスなどを運行する京王電鉄バスは、もともと空港線などの短距離路線ではトイレを導入していなかったそうです。しかし事故による道路の通行止めなどで、長時間にわたり立ち往生するケースもあったことから、2000年代には路線によらず全車トイレ付きにしたといいます。
「2018年1月には、大雪により首都高が長時間通行止めとなり、当社の空港線バスもほぼひと晩にわたり、首都高での立ち往生に巻き込まれました。そのなかで、トイレのない他社さんのバスにお乗りの方に、当社のバスのトイレを使っていただいたこともありました」(京王電鉄バス)
首都高だけでなく、中央道の神奈川県と東京都のあいだにある小仏トンネルの上り線など、主たる運行経路に慢性的な渋滞ポイントもあるため、短距離路線であってもトイレは必要なのだそうです。
京王電鉄バスが路線によらず全車にトイレを設置しているのには、別の側面もあります。というのも、ひとつの車両が短距離から長距離まで様々な路線で使われることもあり、全車トイレ付きとしたほうが運用上も都合がよいのだそうです。
また近年、トイレを豪華にすることで「保険」的な位置づけから脱し、差別化しようとする動きもあります。
前出のウィラーは利用者の拡大を受けて方針を転換し、長距離路線から順次、車内トイレを導入していますが、スペースをやや広めにとり、化粧鏡なども備えているとのこと。京王電鉄バスでも一部車両に、着替えも可能な広めのトイレを設置しています。
【了】
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