五輪延期 ゆくえが気になる世界で1機のB787-8「聖火輸送機」 JALでも異色の存在だった

プレミア度高いJA837J JAL国内線でも運航されていた

「JA837J」は前述のとおり国際線機材ですが、聖火特別輸送機になる前の数か月間は、成田発着の国際線のほか、成田~中部線などの国内線でも頻繁に運航されていました。国際線用のシートは、国内線のものと比べてゆとりがあり、設備も豪華な傾向にあるので、乗ると少し得した気分になれる機体だったとも言えるでしょう。

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JALのボーイング787-8型機に搭載のビジネスクラス「スカイスイート」(2017年9月、恵 知仁撮影)。

 その「JA837J」ですが、航空機追跡サイト「フライトレーダー24」によると、聖火輸送の大役を果たしたのち3月20日中に成田空港へ戻りましたが、それ以降の足取りはつかめていません。

 聖火輸送を終えたのち「JA837J」は、標準の塗装に塗り替えられ、JAL便の通常運航に復帰すると見られていました。ところが新型コロナウイルスの影響により航空便の減便、運休が相次いでいることから、JALにおいても飛行機の余剰が発生していると見られ、「JA837J」がどの時点でどこの路線へ復帰するのか、予想も難しい状況です。

 アテネから日本へ運ばれた聖火は、2020年3月26日(木)より聖火リレーで国内を巡る予定でした。しかし3月24日(火)、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、安倍総理大臣とIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が「東京オリンピック・パラリンピック」2020年大会の、1年程度の延期について合意、これにともない、聖火リレーも中止になりました。

 公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は「今後、大会延期日程に合わせて、新たな聖火リレーの日程を定め、多くの方々にお集まりいただき、盛大なグランドスタートが迎えられるよう、準備を進めてまいります」としています。

【了】

【写真】「JA837J」のみとなったJALの「プレエコ」搭載B787-8型機

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