「加速がいい鉄道車両」5選 特急から逃げるため 本数を増やすため…さまざまな背景

実は加速力も高い新幹線車両や登山電車

N700系新幹線

 高密度運転を行う東海道新幹線では、最高速度の向上と同時に加速力の向上も重要な課題でした。各駅停車である「こだま」の加速性能を高めれば、それだけ後続の「のぞみ」が速度を落とすことなく走れます。また加速が早くなる分、線路が空くのも早くなるため、列車本数も増やせます。

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東海道・山陽新幹線のN700系(2019年10月、児山 計撮影)。

 N700系は東海道新幹線の速度向上と運転本数増加を目的に、最高速度はもとより加速性能の向上も視野に入れて開発されました。性能的には、140km/hくらいまでの平均加速力は2.6km/h/s。この数字は、在来線を走るJR東日本の通勤形車両E231系やE531系などが40km/h程度まで維持する加速力2.3km/h/sを上回るもの。N700系は、通勤形並みの加速力を新幹線で実現した画期的な車両です。

箱根登山鉄道

 山岳路線を走る電車は、急勾配に対応したギアのセッティングになっています。クルマにたとえるなら、1速や2速といった低いギアでしょうか。そのため平坦線を走る場合は、低速時の加速力が大きいことになります。

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箱根登山鉄道の3000形「アレグラ」(2014年10月、児山 計撮影)。

 箱根登山鉄道は80‰(パーミル。1000m進むと80m高度が変わる)という急勾配を走行するため、その電車はパワーのあるモーターを使っており、平坦線では4.0km/h/sという、阪神のジェットカーに匹敵する加速力となります。

 もっとも、箱根登山鉄道の電車が走る場所には平坦線がほぼないため、この高加速を体感できる区間はほとんどありません。あくまでも「勾配用の車両が結果として高加速を獲得した」のであり、高加速を意図した車両ではありません。

【写真】500km/hまで持続するリニアの加速力 車内の様子は?

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コメント

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4件のコメント

  1. 愛知県のリニモ(起動加速度4.0 km/h/s)は?
    「鉄の車輪とレールに頼らない高加速性能の車両 その3」が欲しかったところ。

  2. 湘南モノレール(起動加速度4.0 km/h/s)もあるので「その4」も・・・

  3. TOKIOのメンバーが駅から鉄道車両と競走してたな〜

  4. たしか京急は基本、起動時加速度4.2/hですよ