陸自の「島しょ防衛体制」現状は? 訓練重ねる水陸機動連隊 「オスプレイ」部隊も新設

水陸機動団の「足」MV-22B「オスプレイ」部隊も誕生

 今年3月26日(木)、陸上自衛隊 木更津駐屯地に新しい部隊「輸送航空隊」が誕生しました。MV-22B「オスプレイ」を配備する部隊で、現在、アメリカにてパイロットや整備員の教育が行われています。

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陸上自衛隊 木更津駐屯地に新設された輸送航空隊に配備されるMV-22B「オスプレイ」(画像:陸上自衛隊)。

 同駐屯地へは、6月に最初の機体が到着します。アメリカではすでに日本へ引き渡される状態となっており、グレーを基調としたカラーリングで、日の丸も描かれています。これが水陸機動団の空の「足」となる予定です。

 さらに水陸機動団では、2023年までに第3水陸機動連隊を立ち上げる計画です。第1、第2連隊は長崎県にある相浦駐屯地に配置されていますが、第3連隊については北海道とするプランも出ています。これは上陸用の浜辺を持つ浜大樹訓練場や日本最大の矢臼別演習場など、訓練環境が整っていることが理由といわれています。とはいえ北方の守りも必要不可欠であり、ロシアに向けたアピールの意味もあるようです。

 自衛隊は5年間という急ピッチで、日本の島しょ防衛体制を確立させようとしています。ここまで述べてきたように、続々と部隊が新編され、次は戦える部隊として錬成をしていく必要があります。まだ道半ばですが、目標に向けて確実に歩みを進めているのです。

【了】

【写真】第2水陸機動連隊が参加した「アイアン・フィスト20」における訓練の様子 ほか

Writer: 菊池雅之(軍事フォトジャーナリスト)

週刊誌カメラマンを経てフリーの軍事フォトジャーナリストとなる。安全保障をテーマに世界中を回り、週刊誌や専門誌等に執筆。最近ではテレビやラジオ出演、講演などもこなす。「イチから分かる自衛隊最前線レポート」(EX大衆・双葉社)、「最新国防ファイル」(夕刊フジ)など連載を多数持つ。

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