大変身した私鉄車両 熊本電鉄01形 元東京メトロ銀座線の地下鉄車両にサイドミラー

鉄道車両のなかには、当初の役割を終えたのち大改造され、見違えるほど“変身”したものがあります。そのひとつが、熊本電鉄の01形。元は東京メトロ銀座線の電車ですが、パンタグラフが設置されるなど、大きく変わっています。

パンタグラフを載せ サイドミラーを設置 銀座線時代から大きく変化した01系

 一方で、熊本電鉄と東京メトロ銀座線は線路幅(軌間)が違っており、またちょうどよい中古品が見つからなかったことから、台車は新しいものが製造されました。走行などに必要な電気も、銀座線はレールの横にもう1本敷かれた電源専用のレールから供給されるのに対し、熊本電鉄は上空の架線から供給されるため、屋根上にパンタグラフが新設されています。

 さらに、ワンマン運転に必要なサイドミラーが前面に取り付けられた結果、銀座線で活躍していたころから大きくイメージが変わりました。

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熊本電鉄01形電車の前頭部。パンタグラフやバックミラーが設置され、印象が変わった(伊原 薫撮影)。

 ただ、車両番号はそのままで、東京メトロのマークがあった場所には熊本電鉄のマークを似たカラーリングで掲出。客室内も元の雰囲気が残されています。

 2編成が導入された01系は、熊本電鉄では01形を名乗っています。現在その2編成両方が、熊本県のマスコットキャラクターが描かれた「くまモンラッピング電車」となっており、子どもたちはもちろん、海外からの観光客にも人気です。

【了】

【写真】熊本で感じられる銀座線の名残

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鉄道ライター。乗り鉄・撮り鉄のほか、鉄道旅で酒を楽しむ「飲み鉄」や列車を貸し切って遊ぶ「借り鉄」の普及に勤しむ。最近は、鉄道と地域の活性化アドバイザーとしても活動中。好きな発車メロディはJR北千住駅。

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