日本製のベストセラー民間機3選 ホンダジェットの前にも三菱 富士重工(スバル)
空飛ぶ国民車を目指したライトプレーン
アメリカ製軍用機のライセンス生産は富士重工(現スバル)でも行われており、そのノウハウを基に開発されたのが「FA-200」です。
富士重工は、航空自衛隊向けにプロペラ単発エンジンのT-34A「メンター」初等練習機をライセンス生産しており、その技術を基にして、陸上自衛隊向けのLM-1連絡機や海上自衛隊向けのKM-2練習機などを独自開発していました。
その一方で、戦後初の国産ジェット機となるT-1練習機を開発生産しており、三菱のMU-2と同じ流れでFA-200は誕生しました。
FA-200は、1950年代後半に「誰でも買える国民車」として開発された「スバル360」のコンセプトを飛行機の世界でも実現しようと1960年代初頭に計画されたもので、「空飛ぶスバル」というイメージから「エアロスバル」という愛称が付けられています。
FA-200は1965(昭和40)年8月12日に初飛行すると、1986(昭和61)年の生産終了までに299機が作られました。高い安定性と優れた運動性能から高い評価を得たものの、小型機ゆえに利幅が小さいため、500機以上は販売したかったとのことで、事業としては芳しいものではなかったそうです。
ここまでに挙げた3機種は、すべて日本企業が独自開発した民間飛行機です。回転翼、すなわちヘリコプターであれば、国際共同開発になりますが、川崎重工がドイツのMBB(現エアバス・ヘリコプター)と共同開発したBK117などもあります。
BK-117の開発割合は50対50の対等な関係で、1979(昭和54)年に初飛行して以来、2社合わせて1500機以上販売しているベストセラー機であり、国内においても警察や消防などをはじめ、多数が使用されています。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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