高性能ゆえの「とんがった車両」5選 高速 軽量 乗り心地を追求 設計思想に影響も

地下鉄 登山電車 路面電車をひとつに! 京阪800系

 京阪電鉄800系は、京阪京津線と京都市交通局東西線が直通運転を行う際に造られた車両です。

 京津線は最大61‰(パーミル。1000m進むと61m上る、の意)の急こう配を持つ登山鉄道でありながら、上栄町~びわ湖浜大津間は道路上を走る路面電車、さらには半径40mという急カーブまであります。

 加えて、乗り入れ先の京都市交通局東西線は自動運転を行う地下鉄なので、自動列車制御装置(ATO)の搭載も必要です。したがって、800系には地下鉄、登山電車、路面電車に必要な機能や性能をすべて搭載しなくてはなりません。

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急カーブ、急勾配、路面軌道すべてを走破する京阪800系(2004年1月、児山 計撮影)。

 800系の車体は幅2.6m、全長16.5m、車輪の直径66cmと、一般的な在来線の車両よりも小型です。しかも、直通先の地下鉄がミニ規格のため、車高にも厳しい制限があります。

 こういった制限のなか、800系は性能面ではまったく妥協せず、薄型、小型の機器を開発して高性能を確保。連続勾配を70km/hで駆け上る高性能を獲得しました。国道1号線と並走する勾配区間でも、クルマにまったく引けを取らない速度で走行できる登坂性能は、まさに「とんがった」車両にふさわしい走りを見せてくれます。

【写真】けっこう傾く「振り子式」 試作車「TSE」

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