「八ミツ」「海カキ」美味しそう!? 鉄道車両の文字は何を意味するのか

小文字 濁点 旧仮名遣い… いろいろなルール

 電報略号は必ずしも、通常の読み方そのままで略されるわけではありません。例えば総武線の電車には「八ミツ」と記載があります。なんともおいしそうですが、これはJR東日本八王子支社の三鷹車両センターのこと。現場では三鷹を「ミツタカ」と読ませていたため、頭2文字を取って「ミツ」にしたといわれています。

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JR東日本大宮支社の川越車両センター所属を表す「宮ハエ」(2002年1月、草町義和撮影)。

 寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に使われる285系電車の一部には「海カキ」と書かれています。これはJR東海の大垣車両区を意味します。濁点や半濁点は原則使用しないという規則に従い「ガキ」にはなりません。

 ほかにも小文字を大文字にしたり、旧仮名遣いを用いたりします。高崎線の行田駅(埼玉県行田市)は「キヨ」、川越線の川越駅(同・川越市)は「ハエ」です。「ハエ」は「カハゴエ」が由来とされています。

 ところが機関車は上記のルールとは別です。所属する車両基地の名称が、漢字1文字あるいは2文字で表記されます。その略号は運転席の横などに札で掲示。JR東日本田端運転所であれば「田」、JR西日本下関総合車両所は「関」といった具合です。

 もともと通信における制約を克服するために生まれた略号ですが、時代が下っても情報伝達がスムーズに行えるという点で廃れることなく用いられています。

【了】

【写真】愛情たっぷりの機関車!? 掲示される「愛」の札

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