引退近づく半蔵門線の顔 東京メトロ8000系はどんな車両? 時代の求めに柔軟だった40年
東京メトロ半蔵門線では、新型18000系電車の導入が発表された一方で、従来の8000系電車の引退が近付いてきました。製造から約40年、時代の変化にあわせて更新されながら今も東急線~東武線を走るこの8000系は一体どんな車両なのでしょうか。
8000系は後発 開業当初、自社車両がなかった半蔵門線
東京メトロ半蔵門線に2021年度上半期から、新型の18000系電車が導入されます。全部で19編成が導入され、既存の8000系電車を置き換える計画です。
8000系は約40年間、半蔵門線をはじめ、直通先の東急田園都市線や東武スカイツリーライン(伊勢崎線)などでも走ってきました。いよいよ引退に向けカウントダウンが始まりますが、どんな車両なのでしょうか。
8000系は1981(昭和56)年4月に運転を開始しました。ちなみに半蔵門線が開業したのはその3年前、1978(昭和53)年です。8000系登場までの3年間、当時の営団地下鉄は半蔵門線用の車両を持たず、直通する東急の車両を融通していました。これは同線専用の車両基地がなかったこと、開業区間が渋谷~青山一丁目間の2.7kmであり、多額の設備投資をしてまで車両を所有する必要がなかったことが理由として挙げられます。
8000系は「初めての要素」がいくつか盛り込まれた車両です。台車枠と車体のあいだに取り付けられる枕梁(ボルスタ)を無くし、軽量化と保守の簡素化を図ったボルスタレス台車を日本で初めて採用。また、加速とブレーキのハンドルを一体化したワンハンドルマスコンのほか、有事の際に機器の状態を把握する故障記憶装置を営団車両で初めて採用しました。
導入当初は8両編成や6両編成だった8000系は、その後少しずつ延伸していった半蔵門線の輸送力強化のため中間車を増結し、1994(平成6)年10月までに全ての編成が10両化されました。
ワンハンドルマスコンは東急8500系に合わせたからでは?
友人と電車とバスの博物館からの帰り、わざわざ何本も見送って最新型だったこの電車に乗ったのも思い出。
ところで、左右非対称避難タラップ付の前面はこの系列で打ち止め。
9000系からは前面のほぼ全てが一応ガラス窓になっているのを考えると、運転士にとって使い勝手が悪かった?