引退近づく半蔵門線の顔 東京メトロ8000系はどんな車両? 時代の求めに柔軟だった40年
紫色の帯のまま東西線を走ったことがある
車齢40年のわりにあまり古さを感じさせないのは、機会あるごとに設備を更新してきたからかもしれません。
例えば2003(平成15)年3月の東武線との直通運転開始や翌2004(平成16)年4月の民営化にあわせ、方向表示器のLED化や自動放送装置の導入などを行いました。車内には2010(平成22)年前後から、ドア上にLCD(液晶画面)を設置。新型車両と同等のサービスを提供しています。
ほかにも、増加していた訪日外国人のニーズに応えるため、2018年頃より車内フリーWi-Fiのサービスを開始しています。2020年10月現在、全ての8000系でWi-Fiが利用可能です。
このように、外観はデビュー当初から大きく変わらないまでも、サービス面で時代の変化に応じた更新が行われてきた半蔵門線の8000系ですが、一時期、東西線で使われたことがあります。
1987(昭和62)年に10両編成で製造された3本は、1989(平成元)年1月の半蔵門線 三越前駅(東京都中央区)延伸にあわせてデビューするまで、輸送力強化のため東西線を走りました。当時、東西線は新型の05系電車が製造中であり、それを補うピンチヒッターとして導入されたのです。しかし暫定的な処置であることから、車体の帯色は東西線の水色ではなく半蔵門線の紫色のまま。誤乗防止のため、ドア上には「東西線」と掲示されました。
現在、最長で中央林間~南栗橋間の約100kmを走り、私鉄3社を直通するロングランナーのイメージが強い8000系ですが、一部編成は保安装置を積み替え、JR総武線まで乗り入れた過去があるのです。
【了】
ワンハンドルマスコンは東急8500系に合わせたからでは?
友人と電車とバスの博物館からの帰り、わざわざ何本も見送って最新型だったこの電車に乗ったのも思い出。
ところで、左右非対称避難タラップ付の前面はこの系列で打ち止め。
9000系からは前面のほぼ全てが一応ガラス窓になっているのを考えると、運転士にとって使い勝手が悪かった?